米国4大スポーツの一つ、アイスホッケーNHLは今、プレーオフの最中ですが、そのプレーオフを戦っているニュージャージーデビルスとニュージャージー州での発行部数3位のAsbury Park Press(13万3千部)が提携したというニュースをニューヨーク・タイムズのサイトで知りました。デビルスのオフィシャルサイトに雇われた専属ライターEric Marin氏が、サイト用だけでなく4月初めからプレス紙向けの記事も書いて無償で提供するというものです。

タイムズ紙によると、話はデビルス側から持ちかけたもので、不景気の折り、記者削減でデビルス関連の記事が減らないようにという狙いだそうです。これまでに5本が掲載されています。記事に添えられた肩書きは社員記者を示す「staff writer」でなく「special to the Press」または「correspondent」となっていて、さり気なくアウトソースした記事であることを著しています。プレス紙の編集主幹は「読者に役立ち、記事がどこから来たかが分かっていて、編集権も確保していれば問題ない」という立場です。今の日本ではまだまだ受け入れられない考えかもしれませんが、実は米国の新聞経営者はどうやらそっちの方に傾きつつあることを示すデータが最近、発表されています。

例のPew Research CenterのProject for Excellence in Journalismが先日発表した<News Leaders and the Future>によると、「通信社の記事は別にして、外部報道機関やジャーナリストグループによるコンテンツを受け入れているか」という問に、新聞社の編集局長の集まりであるASNEのメンバーの回答は、「恒常的に」がなんと34%もいて、「たまに」の29%を加えるとほぼ3分の2に達しました。また、現に外部記事を使っているかどうかは別にして、そうした外部記事を扱うことは「Comfortable」かどうかと聞かれると、「とても」が40%、「多少」が47%と大多数が肯定的なことも分かりました。

米国で続々登場しているNPO報道機関が存在感を高めているのも、こうした新聞社の編集幹部の意識と無関係ではないのでしょう。勿論、背景には不景気で記者減らしをしたので、紙面を埋める必要に迫られているという事情もありますけれど。卵が先かニワトリが先かみたいな話ですが。このブログでもその種のNPOは何度か取り上げました。ニューヨークタイムズマガジンのカバーストーリーを提供してピューリッツァー賞を獲得した調査報道のProPublica、世界中に100人近くの現地在住特派員ネットワークで既存メディアに国際ニュースを配信するGlobalPost、同様に世界中から報道写真を集めて配信するDemotix、テキサス州の州都オースチンに本拠を置き、州内のローカル新聞に州議会、州政府関連のニュースを無料で配信するTexas Tribune、5月からニューヨークタイムズのサンフランシスコ版の記事を請け負うThe Bay Citizen(旧Bay Area Network)・・・・・

ま、考えて見れば、民放テレビは下請けプロダクション制作の番組だらけでアウトソース率は極めて高く、ネットでもヤフーの収益源のヤフーニュースもほぼ100%アウトソースみたいなもの。新聞も次第にそうなるのも時代の流れなのかもしれません。