毎年、その高給ぶりが話題になる日産・ゴーン社長の役員報酬。今年は株主総会で自ら9億9500万円と明かしたそうです。早速、ネットにはそのニュースがいっぱい載ってます。おいおい、業績面ではトヨタに大きく遅れを取ったのに、トヨタの豊田章男社長の何倍も取って、しかも昨年より700万円アップはオカシイという論調も出てくることでしょう。

しかし、つい先日、たまたまニューヨーク・タイムズのproxy statement(株主総会召集通知書)を読んでいたせいでしょう、ゴーン社長の10億円弱の報酬額がちっとも高く感じませんでした。ザルツバーガー会長以下の報酬をまとめたこの表のせいです。(クリックで拡大します)

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米国の株主総会召集通知書は、日本のそれと違って随分と詳細で、役員らの報酬がどううしてそうなったかについても、実にいろんな根拠を持ちだして細々書いていますが、どうも米国の役員報酬の有り様について基礎知識がないので、解説は控えます。

ただ、大雑把に言えば、ザルツバーガー会長の2013年のサラリーは108万7千ドルで、その他もろもろ合わせて531万ドル。一昨年、英国BBCから迎えたトンプソンCEO兼社長は合計457万5千ドル。

しかし、考えてみると、日産の売上は世界で10兆円以上、営業利益は5千億円というメガ企業ですが、NYTの昨年の収入は日本円で1600億円弱、営業利益は150億円程度。企業規模はまさしく月とスッポンほど違います。しかも、販売収入も広告収入も減る中、サイトの有料化や人員削減を進めてこの程度なのです。

それでも、会長、社長合わせてゴーン社長に匹敵する約10億円の報酬を得る。ですので、冒頭に書いたように、ゴーン氏の報酬がベラボウには思えなかったわけです。

また、トヨタは昨年度22兆円余りを売り上げ、営業利益が2兆3千億円に達しましたが、豊田章男社長を含む21人の役員の報酬総額は15億2200万円だったとか。ところが上記の表にあるNYTの会長、社長の報酬に上級副社長クラス4人の報酬を加えると16億5千万円ほどになり、6人分で世界のトヨタの21人分を超えてるのです。

さらに言うと、よく理解出来ませんが、巨額の退職年金の積立が別途あるようですし、6人のトップのほかに、平取クラスへの報酬を加えたら総額はいくらになることやら。

米国の新聞不況は日本よりずっと深刻だと言いますが、このNYT経営陣の強欲ぶりを見ると、なんだかクラクラしてきます。

つい先日の記事では、NYタイムズの「Innovation」と題する編集局デジタル改革レポートについて紹介しましたが、上層部がこんな具合だと、改革に取り組む編集局の兵隊さんたちの意気が削がれるんじゃないかと余分な心配までしてしまいました。