正直、持ってはいるけれど、この歳になると、めっきり使用頻度が減っているのが携帯電話です。ですから、出先で電池切れを心配するようなシーンも全くなくなりました。
しかし、外を飛び回り、バリバリ仕事をする現役の方々には、携帯電話の電池がどれだけ持つかは結構、関心事かも知れません。でも、その問題も、そう遠くない将来に解決するかもしれない研究が進んでいるようです。
電池レス電話、米ワシントン大学の研究チームはBattery−Free Cellphoneと呼んでいますが、そのプロトタイプが完成し、9.4メートル離れた基地局との交信に成功したと専門誌に報告しました。こんな感じです。
見た目は、回路版に電子部品が貼り付けてあるだけです。部品は全部、市販されているものだそう。通話はヘッドフォンを使って行いました。
少しでも消費電力を抑えるためだったのでしょうが、何れにしても「電子部品」を作動させるためには電気が必要です。それをどこから調達したのか。
これを紹介したBusiness Insiderの記事によると、携帯電話で音声通話を行うには数百ミリワット(1ワットは1000ミリワット)を消費するそうです。それを電池レス携帯で実行するのは不可能なので、とにかく必要パワーを桁違いに下げることが第一の課題だったとチームのメンバーが語ったとのこと。
それがいかに成し遂げられたのか。詳細は記事にはありませんが、結果的にチームは電波から電気を取り入れる方法を開発することで解決したとのことです。電波とは、テレビ、ラジオの放送電波、携帯用の電波などですが、最大のソースは、今やどこにでも飛び交っているWi-Fi電波だそう。
そこから取り込めるのは数マイクロワット(1ミリワットは1000マイクロワット)という超微弱電力に過ぎませんが、それで、作動に成功したのです。また、先の専門誌に寄せた報告書の要約には「間接照明の光を取り入れたら15.2メートル先の基地局との交信に成功した」ともあります。
次のステップは、ショートメッセージを映し出せる低電力で作動する画面と初歩的なカメラを持つプロトタイプの開発で、研究チームは、この技術を活かした携帯電話以外への展開も視野に入れているようです。
ちなみに、このチームが所属するワシントン大学のPaul G. Allen School of Computer Science & Engineeringは、あのマイクロソフトの共同創業者ポール・アレン氏からの5千万ドルの寄付で作られたのですが、まさか、Windowノートパソコンまで電池レスというわけには、なかなかいかないでしょうね。
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