「ブラックフライデー」という単語をご存知でしょうか?米国発の年末商戦に向けての安売りデーの始まりの日のことで毎年11月の第4金曜日。感謝祭の翌日です。量販店などに客が殺到し、お店も儲かって黒字になるなどから「ブラック」とついたそうです。日本には2016年に上陸、このサイトの情報によると、日本でも実店舗を持つ19社が参加するようです。

しかし、本場の米国では、このイベントの勢いに陰りが出てきたようで、Axiosの記事では「多くのアメリカ人にとって、休日に一斉にたくさんの買い物をするアイディアは消えつつある」と書いています。しかし、クリスマスに向けて贈り物などに充てる予算は増えています。つまり、決まった日にお店に殺到するのでなく、オンラインショッピングに流れている、ということなんですね。

それを裏付ける調査が1週間前に出ました。Deloitteが毎年公表しているHoliday Surveyです。贈り物に充てる予算をどこで使うかのグラフです。オンラインで、が57%、実際のお店でが36%。2015年に比べ、お店で、という人は10%も減りました。

では、オンライン店舗と実際のお店とどちらが好きかを聞くと、こうなりました。

オンラインの方が実際のお店より好きだという人が52%、実際のお店の方が好きは36%に止まりました。お店が好きでは「seniors」(ベビーブーマーより上の世代ですから、概ね70才以上の高齢者)の52%が飛び抜けていますが、他の年代では大体 3分の1に止まっています。

オンラインを好む理由を聞くとこうなりました。

お店に足を運ぶ必要もなく、24時間いつでも注文できて、届けてくれる。要するに便利ということですね。

この調査は、贈り物シーズンに限っての話ですが、その傾向は普段の買い物にも通じることでしょう。その意味で衝撃的な内容だったのがAtlanticに掲載された「マンハッタンはいかにして豊かなゴーストタウンになったか」という記事でした。

人で溢れ、活気に満ちた大都市ニューヨークで、店内の電気が切られ、ウィンドウには「For Lease」とある店がとても増えているというのです。店内が暗いので、ショーウィンドウは道ゆく人を映す鏡になっていると。

モルガン・スタンレーなどの調査ではマンハッタンの通りに面した小売店の少なくとも20%が空いているそうです。NYタイムズの9月の特集では、マンハッタンで空き店舗が増えている様を多数の写真で紹介していて驚かされます。

Atlanticの記事、NYタイムズの特集で、共に指摘しているのが家賃の高騰とオンラインショッピングの影響です。その一方で、「eコマースの需要で、倉庫スペースの余裕がきつくなっている」とWall Street Journalが先日、報じていました。「商品が店頭から倉庫に移ったのだ。そして茶色い紙袋から茶色い箱に」とAtlanticは表現しています。

そういえば、先日、通信販売の千趣会が、業績不振から280人程度の希望退職の募集、本社ビルの売却などを発表しました。これについて、日経ビジネスは端的に「アマゾンエフェクト 猛威振るう」と表現しました。

米国同様、アマゾン効果が強まる一方の日本では、日本版ブラックフライデーの実店舗での広がりはあまり期待できないかもしれません。それより、地方のシャッター街がアマゾンのせいで大都会まで広がりかねないのが怖いですね。