昨日はトランプ大統領就任2年目の節目でしたが、政府機関の一部閉鎖(shut down)は、まだ続いていてひと月になります。もし、日本でこんなことが起きたら内閣支持率はガタ落ちだと思いますが、トランプ大統領の支持率は1月20日段階で40.0%とshut down直前の12月21日の数字から2.2%しか落ちていません。(ずっと低空飛行続きだから大きく落ちようがない?)

これは、2008年大統領選で、その的確な予測で名を上げた米国随一のデータアナリストNate Silver氏が主宰する政治ブログFiveThirtyEightが、目につく限りの世論調査を収集し、それぞれの実績などを勘案して数値化、日々、更新しているものです。(その手法についてはこちらをご覧ください)

こんな低空飛行で2020年大統領選で勝てるのか?その疑問にSilver氏が長文記事で解説してくれていました。これは民主党がどんな候補を擁立するのかという要素は抜きにしての議論です。示唆に富む点をつまみ食いしてみます。

まず、shut downへの全ての反応はトランプにひどく悪い、と述べます。しかし、次の大統領選は随分先なので、その影響は限定的だろうと見ています。

大統領支持率や政党の支持率は、過去の経験ではshut down終結後、数ヶ月で元に戻ったのだそう。その一例として挙げているのは2013年秋のshut down。この時は、共和党への不支持率が67%に達したことから「共和党と政府に大打撃」と、ワシントンポストが報じていますが、翌年の中間選挙では、共和党は上院でも下院でも大勝したことがあったのです。

また、トランプ大統領の元での「常軌を逸したニュースサイクルの速さ」を考慮すると、例えば2月15日にshut downが終息し、その翌日にモラー特別検察官によるロシア疑惑に関する報告書が出れば、その翌日からは誰もshut downのことを話題にしないだろうと言います。

ただし、今回のshut downは史上最長なので、前例通りにはならないかもしれないとSilver氏は慎重な言い回しですが、「選挙まで22ヶ月もある。オバマ、クリントン、レーガンを含む多くの大統領が(1期目の)惨めな中間選挙結果からリカバリーを果たして再選された」として、今回のshut downそのものがトランプ再選の大きな障害になるとの見方には否定的です。

しかし、だからと言って現職大統領が次期大統領選で有利だ、と言っているわけではありません。その理由が面白いので、理解できたいくつかピックアップしてみます。

①次期大統領選では、トランプは2016年のヒラリー・クリントンのような、歴代で最も不人気だった候補と対決することにはならない。ま、トランプを除けばだけど。(これは知らなかった!)

②前回は、トランプもクリントンも好きじゃないどっちつかずの有権者から、17%多く得票したが、今度はそんなことにはならないだろう。

③特にメキシコとの国境の壁に固執していると、そうしたswing有権者は、2016年のようにトランプを穏やかな人物と見なさないだろう。

④2016年のように、投票日直前に(クリントンのように)対立候補がFBIの再捜査を告げられることなどありえないだろう。

そして、2018年中間選挙での出口調査では、有権者によるトランプのパフォーマンスへの評価は支持45、不支持54で、彼はそのツケを払わされて、負けた。その数字はトランプの世論調査による支持率に近似する、とも。

などなどから、Silver先生は、どうやらトランプ再選は難しいと見ている印象です。もちろん、文末では「今現在、事態は悪化しているが、支持率を改善する時間は十分ある」とも書いていますが。彼は2016年大統領選では勝敗確率を「クリントン71.4%、トランプ28.6%」と珍しく外したことがあるだけに、慎重なのかも。ただし「トランプの勝ち目を28.6%」と見たのは、どこよりも高かったそうですが。

まあしかし、FuveThirtyFiveのページの中盤以降にある戦後歴代の大統領支持率の変遷に比べても、トランプ氏の低さが際立ちます。なかなか興味深いグラフですのでご覧ください。