本格的な配達ロボットカーの本命登場、という印象です。米国・Nuro社製の「R1」が、アリゾナ州でのテストを終えて、今年、後半に大手スーパーチェーンKrogerのテキサス州ヒューストンの3店舗に配置されます。
客がスマホアプリで注文した品を、自宅に届けるサービスに使われ、当日配達か翌日配達かを指定でき、利用料は1回5.95ドルです。(R1配置までは、同社製のソフト、ハードを搭載し、人間が乗って監視するプリウスの自動運転車で運用だそう)
R1は完全に無人で走行し、幅は通常のコンパクトカーの半分ほど、長さもその3分の2ほどで、荷物室は2つに分かれ、一つは冷蔵室になります。運転席はありません。センサー、カメラ、GPSなどを備え、電動で最高時速は40kmで公道を走ります。
荷物室を上から見るとこんな感じ。
まずは、その走りっぷりをご覧ください。交差点の赤信号で止まるし、歩道を人が渡っていれば、もちろん止まります。これまでの、歩道をチョコチョコ走ってピザなどを届ける小型配達ロボットとは”格”が違います。
製作したNuro社は、グーグルで、自動運転車FireflyのプロジェクトにPrincipal Engineerとして関わっていたというDave FergusonとJiajun Zhuの二人が2016年に創業しました。ともにロボット工学と機械学習の専門家だそう。まだ、若い会社ですが、社員200人、契約社員100人と、スターアップにしては大所帯。(ちなみに福利厚生も一流企業並みです。もちろん、ランチもディナーもおやつも全て無料)
その将来を見込んで、Softbankの孫正義氏が今年2月に9億4千万ドルを例のVision Fundから投資し、現在の市場価値は27億ドルと見込まれている有望株です。
というのも、ウォール・ストリート・ジャーナルによると、Nuro社は、配達ロボットカーに注力しているように見えますが、同時に約50台の通常セダンに自動運転装置を組み込んで、カルフォルニア、アリゾナ、テキサスで公道テストを繰り返していて、将来なカーシェアリングの時代に、UberやLyftなどと競り合うか、もしくは採用される可能性もあります。
Uberに巨額の投資をしているSoftbankの孫氏も、おそらくはその時代も見据えて、投資を進めているのでしょう。そして、つい先日には、Softbankとともにトヨタとその関連会社のデンソーがUberの自動運転部門に巨額の投資をしたと伝えられました。さすが、世界のトヨタ。
最近のNHKラジオで聞いたリチウムイオン電池の発明者吉野彰氏が「私の平成史第2回」で「2030年には自動運転車のライドシェアリングが当たり前になる。安上がりで環境にいいから当たり前だ」とのご託宣が、なんだか実感として理解できるようになってきました。もちろん、買い物難民問題も間も無く解決しそうな気もしてきました。(吉野氏の講演は聞き逃しサービスで6月10日まで聞けます)
コメントを残す