一昨日のNHKテレビ「ニュースウォッチ9」のオープニング。メインキャスター有馬嘉男氏がスタジオから消えました。

サブキャスターの和久田真由子さんが説明していました。

「有馬キャスターは新型ウィルス対策で、接触の機会を減らすため離れた場所からお伝えします」

そして、昨夜も同様。ムムム。もしやもしや、と思ってネットで検索しましたが、有馬氏がなんらかの理由で隔離されたという情報は見つけられません。

何故気になったか。今、米国・ニューヨーク州のコロナ対策で評価を上げているアンドリュー・クオモ州知事の弟で、これも人気のニュース分析番組「Cuomo Prime Time」のホスト、クリス・クオモ氏が、コロナに感染したものの自宅の地下室から毎晩、番組を続けていたからです。

陽性と判定されても、1時間番組に出ずっぱりも可能なケースもあることを、たまたま知っていたものですから・・・。彼は米国時間で21日に地下室から帰還しましたが、その後も番組は地下室から発信しています。(その模様はTwitterで視聴できます

しかし、今の米国では、どうやら自宅から発信するホストやアンカー、さらに気象予報士が当たり前になってきてるようです。

例えば、おん年73歳ながら、バリバリの現役の著名なテレビジャーナリスト、アンドレア・ミッチェルさんは、月〜金の毎日正午から1時までの「Andrea Mitchell Reports」という番組を持っていますが、その様子を自身のツィッタ〜に載せました。

一枚の写真と見間違いますが、左は夫の元FRB議長の超大物アラン・グリーンスパン氏で、彼は別の階で、ウェブ会議をしてる模様です。そこで「Upstairs Downstairs sheltering at home!」と書き込んでいるわけです。

この写真を紹介したDeadlineの記事によると、NBCとMSNBCのcreative production design担当副社長は、アンカーやホストの自宅24軒で簡易スタジオとネットワーク接続のセットアップをしたそうです。全てのネットワーク局やケーブルニュース局を合わせると、相当な数になることは想像に難くありません。

しかし、仮設のチープな機材で、スタジオ時代と同じようなことをしていては、視聴者に見放されるおそれもあります。

そこで、「at home」の強みを生かして家族を出演させるケースもあります。深夜のニュースバラエティ(かな?)NBCのThe Tonight Showのホスト、ジミー・ファロン氏の場合、6歳のフランシス、5歳のウィニーの姉妹はほぼレギュラー的に出てきて、ゲストとインタビュー中の父親を邪魔する模様をそのまま収録して、放映しているよう。時には奥さんも。

Global Newsはじめいくつかのサイトが紹介している例では、父親がNFLのスター選手と女性歌手にインタビュー中に、ウィニーが部屋に入ってきてカメラに映らない状態で話しかけると、父親は「そりゃあ、ビグニュースだ」と叫んで「みんなに教えてあげて」と膝の上に載せるという展開。

実は乳歯が抜けたという話でしたが、そこで歌手とも会話する模様もそのまま流れたよう。こうした内容についてHuffPostの記事では「正直言って、ファロンの家族のどんちゃん騒ぎはこの番組のベストパートだ」とまで書いています。

似たような構成をしているのが同じくNBCの朝番組Today。共同アンカーのサバンナ・ガスリーさん。スタジオにいる別のアンカーとの掛け合いで進行するようですが、時々、パジャマ姿で登場するのが愛くるしい3歳と5歳の兄弟。どうやら起き抜けのまま出てくるので、寝癖がついたまま。そこで彼女は自宅の簡易スタジオを「寝癖支局」と呼んで受けているらしい。

CBSのThe Late Showの場合は、スタジオにファンも招いて進行する形式だったため、当初は「無観客」に切り替える案もあったとのことですが、事態がエスカレートしてきたので、ファンとスタッフの安全が守れる自宅発信に変わりました。

そこでホスト、スティーブ・コルバート氏は、その自宅発信でコロナの恐ろしさと清潔の大事さを訴えるため、過激な内容にしました。なんとスーツ姿で泡だらけのバスタブから、こんこんと訴えたのです。題して「泡のショー」。

なんだか合成のようにも見えますが、スーツの袖に実際の泡がついてるようですから、なんらかの仕掛けはあっても、実際に泡を立てたのでしょう。この映像はYouTubeに載り、今日現在282万回も視聴されています。

このほか、ワシントンポストは「何百人もの気象予報士が自宅で働いている。彼らはどうやっているのか」という記事で、アンカーやホストが自宅から発信するより、機材が大変なことを紹介しています。

なんでも、ウェザーキャスターに必要な機器とデータはニュースルームで最も費用がかかる部分のよう。かなり専門的なので、これ以上は書きませんが、関心のある方はどうぞ原文を。

仕掛けの一例はこんな感じ。ABC7のチーフ予報士のTwitterです。

まあ、米国のテレビ局では、こんな風に厳重なコロナ対策をとっているのですね。その意味では、NHKも、事態がエスカレートするのに備えて、キャスターを同席させずにリモートで進行する実験をしているということなのでしょう。