トランプ時代になって、党派的分断が際立ってきた米国社会ですが、新型コロナウィルスを巡る報道を続けるジャーナリストへ向ける視線も両極端。またコロナ禍で広告が激減し危機にあるローカル紙をどうすべきかについても同様です。

最近、相次いで公表されたPew Research CenterKnight財団/Gallupの調査からピックアップして記録しておきます。

まず、コロナ報道について。全体的に見ると、「どっちでも無い」人を除けば、概ね、肯定的な見方が優勢です。「必要な情報が得られてる」59%、「その内容は殆どの正確だ」49%、「ジャーナリストは公共の利益のために働いている」48%、「米国の助けになっている」46%という具合。

ところが、これを党派別に見ると驚くほど違いが出ます。共和党員、その支持者では否定的な見方が多いのです。

 

「殆ど不正確」39%、「自分の利益のために働いてる」57%、「国を傷つけている」54%という具合に否定的見方が圧倒的。いずれも6割以上が肯定的な民主党員、支持者とのギャップは大きい。

また、コロナ報道のトーンについて、全体では「楽観的すぎる」12%、「悲観的すぎる」43%、「どちらでもない」44%でしたが、ここでも共和党派の「悲観的すぎる」が66%に達し、民主党派の24%と際立った違いを示しました。

報道内容についての評価が違えば、当然、ジャーナリストに対する信頼や倫理基準が高いかどうかについての問いにも大きな違いが出ます。

「ジャーナリストは公共の最大の利益のために行動していると信頼しているか?」の問いに肯定的な「とても」「かなり」が合わせて48%、否定的な「大して」「全く」52%と、前回2018年の数字よりだいぶ悪くなりました。

また「ジャーナリストは高い倫理基準を持っているか否か」については、「とても高い」「高い」が合わせて43%、「低い」「とても低い」が計57%で、こちらの方は昨年の数字と大差ありません。

しかし、これも例によって党派的分断がすごい。(ちなみにこれをPartisan gulfsとも言うようです)

民主党派は多少、減ったとはいえ70%が信頼しているのに、共和党派はたったの23%です。そのギャップは47ポイント。2年前のギャップもほぼ同様の46ポイントでした。

また、ジャーナリストの倫理基準が高いと見る民主党派は64%でしたが、共和党派はたったの19%。ここでもギャップは45ポイントです。

それでは、共和党派が信頼し、倫理基準が高いとみなすグループはどんなところかといえば「軍」「警官」「ビジネスリーダー」「宗教指導者」などで、これらでは民主党派を大きく上回っています。まあ、共和党が「保守」なのはこんなとこにも顕著です。

一方、Knight財団/Gallupの調査では、苦境にあるローカル紙に連邦政府が資金援助すべきかどうかについて、賛成が65%、反対が34%でしたが、党派別に見ると、民主党派が賛成87%と圧倒的なのに、共和党派の賛成はその半分の43%止まり。

共和党派は、そもそも、コロナ禍による景気後退がローカル紙に及ぼす影響に、関心が薄いのです。全体ではほぼ半数(49%)が「大いに」「それなりに」関心があると答えましたが、共和党派は30%止まり。関心なしが7割なんですね。ここでも、「関心あり」が66%に達した民主党派と大違いです。

ですから、ローカル紙が、財政的に立ちいかなくても、社会に必須の機関として保護されるべきだと考える共和党派は18%に過ぎず、民主党派の78%と極端な違い。それが、連邦資金を投入すべきか否かでの違いに繋がってるわけです。

ともあれ、ローカル紙の存亡は一定の関心を集めているようですが、このレポートでは「ローカル紙を購読したり寄付したりして、ローカル紙に支払いをしてる人は28%に過ぎない。一般市民は、ローカルニュースに個人的に支払う意思は無いようだ」と皮肉交じりに結んでいます。