ひと頃は耳目を集めたスマートスピーカー (smart speaker)やアマゾン エコー(Amazon Echo)、アレクサ(Alexa)という単語ですが、最近は英文でも日本語でもとんと目にしませんね。

ちなみにtech記事の充実するWall Street Journalのサイト内検索をしたら、今月が1本、8月がゼロ、7月が1本だけでした。日経テレコンで日経以外の全国紙4紙では、アマゾンエコーはこの1ヶ月で1本だけ、という具合。

で、つい先日、Digital Trendの記事で見かけました。でも、拙ブログで過去に紹介した病気の診断までするスマートスピーカーが発売されたわけでも、心臓発作からあなたを救うアレクサが実装されたわけでもありません。

問いかければ、天気でもニュースでも音楽でも、なんでも即座に反応するスマートスピーカーですが、意外なことに「通話機能」は弱かったんですね。それを補う機能が加わったというニュースです。

3年ほど前にAlexa Callingという通話サービスが始まって、Alexa内蔵のスマートスピーカー同士に加え、Alexaアプリの入ったスマートフォンやタブレットとも無料で通話できました。

技術的なことは疎いのですが、これは多分、無料通話のライン(Line)と同じような仕組みなのでしょう。アプリを入れ、事前に電話番号で紐付けて登録済みの友人、知人同士とのみ通話できる仕組みですね。

日本の110や119にあたる911にはAlexaに頼んでもかけてくれません。公的機関がアマゾンの製品のためにアプリを入れて待っていてくれないからです。

ところが、9日から米国内で利用可能になったという新サービス “AT&T calling with Alexa”は、この二つの弱みを解消するようです。ただし、サービス名にあるように、通話相手はAT&Tの端末所有者に限られます。(アマゾンは、他の通信キャリアに拡大するかどうか明らかにしていないとのことです)

Alexaアプリで「Communication」でAT&Tを選択し、自分の電話番号を入れ、あとは指示に従ってAT&T端末を持つ友人、知人を電話番号で紐付けしておきます。従来のように相手もアプリを入れておく必要は無くなったようです。ですから、911にもかかります。

そして、アプリに自分の番号が入っていますから、外部からかかってきた電話も受けられます。友人、知人からの場合、その名前と電話番号が紐付けされてるので、ベルが鳴る代わりに「誰々さんから電話です」とAlexaが喋るようです。

そこで「Alexa answer」と呼び掛ければ通話が始まります。電話に出たくない気分の時や、出かける時は「away mode」にしておけばいいし、受ける時間を「朝9時から夕5時まで」という具合に設定もできるとのことです。

今日は、もう別の質問に変わっていますが、昨日のDigital Trendの記事中に、「AT&T calling with Alexaについてどう思うか」という読者アンケートが設けられていました。

それによると、「もう試した。好ましい」が19%、「まだだけど予定してる」が58%で計77%もが関心を持っていました。「試したけど、嫌い」はゼロで、試してないし予定もない」19%、その他4%でした。

また「とても好ましい」と「まあ好ましい」が28%ずつで計56%、「どっちでもない・意見なし」が25%なのに対し、「あんまり好きじゃない」6%、「とても嫌い」13%で、総じて、好意的な反応でした。

嫌いというのは、おそらく、スマートスピーカー に見知らぬ人からの電話が入る可能性を嫌う人たちでしょうね。家の中にいても、スマートフォン は大体、いつもそばにあるのが当たり前でしょうから、ニュースや音楽を聴いてる時にスマートスピーカー電話で中断されたくない、という気持ちもわかります。

ま、しかし、スマートスピーカー 、日本ではほとんど話題になりませんが、進化してるんですね。もう、固定電話は要らなくなるかもしれません。

世界の出荷台数も、今年はスマートフォン約3億台の半分程度になるという予測もあります。意外と売れてるんですね。日本でも、どこかの携帯キャリアがAmazonかGoogleと組んで、同じようなサービスを展開すれば、流行るかもしれません。何しろスマホと違って、安いものは3000円から、スクリーン付きで6000円からと、圧倒的に安いことだし。

でも流行り出したらなんと略すんだろう?「スマホ」に倣って「スマス」かなあ?