昨日(7月6日)、東京オリンピックに出場する選手団の結団式が行われたそうです。オリンピックまであと16日、パラリンピックまで48日。コロナ禍のおり、無観客かどうかの問題は残っていますが、どうやら、もう中止ということはないようですね。

であれば、テレビ中継に期待しますが、今回はパラリンピックへの関心が従来になく高まってもいて、NHKは8月24日から9月5日までの13日間に、地上波と衛星放送BS1、4K、8Kを合わせると500時間も放送することになるそうです。

パラスポーツがテレビコンテンツとして評価されてきたということになるんでしょうが、「そのきっかけは2012年のロンドン大会だった」とNHK放送文化研究所がまとめた「2016年リオパラリンピック放送の日英比較」と題するレポートにあります。

その中で、目を引いたのは、この表です。

英国のパラリンピック放送は2012年大会から、BBCからチャンネル4に移ったのですが、2016年大会ではそのチャンネル4のキャスター10人中、6人までが障害者だったということです。NHKは障害者のキャスターはゼロでした。

これについて、先のNHK放送文化研究所のレポートは「これは、イギリス放送史上、最も多い障害者キャスターの起用であり、中継番組において社会的弱者といわれる女性や障害者がテレビの画面で多く活躍したことは、パラリンピック放送と共生社会の在り方について考える上で注目される」と、大いに評価しています。

では、今回、東京パラリンピックでのチャンネル4のキャスター陣はどうなのか?ググって見ると、多くの英国メディアが報じていました。その一つ、Guardianの見出しは<Majority of Channel 4’s Paralympics presenters will have disability>というもので、記事の書き出しに「プレゼンター(英国ではキャスターのことをこう表現するようです)チームの70%以上が障害者になると局が言明」とあります。リオの60%をさらに上回るわけです。

その顔ぶれもすごいよう。Guardianの記事に添えられている写真の主、Ade Adepitan氏は、著名なテレビ番組司会者だそうですが、3歳の時にポリオに感染し、左足が不具になったそう。しかし、車いすバスケットで頭角を現し、パラリンピック銅メダリストでもあり、慈善運動でも名高いとか。

リオ大会ではチャンネル4のリードプレゼンターだったSophie Morganさんは18歳の時に交通事故で脊髄を損傷、胸から下が麻痺したままで、車椅子生活ですが、彼女も著名なテレビ番組ホストなどとして活躍しています。

そのほか、英国海兵隊兵士だった10年前、アフガニスタンで地雷を踏んで瀕死の重傷を負いながら、今は人気のテレビダンスコンテストに出るまでになったJJ Chalmers氏、4年前、休暇中に浅いプールに飛び込んで脊髄を損傷、「二度と歩けない」と言われたのに、今は山歩きまで出来るようになった元ラグビー選手のEd Jackson氏、11個の金を含め16個のパラリンピックメダリストの元車椅子レーサーにして、今は大学学長で、「英国で最も成功した障害者アスリート」だとされるTanni Gray-Thompsonさんなど、まさに多士済々。

これに、ともに片足が義足の二人と、「漏斗胸」の一人の計3人のコメディアンによる「The Last Leg」ショーが、毎日、東京からのレポートをネタに放送されるとか。これじゃあ、見ちゃいますよね。

で、先ほど、NHKのキャスターの陣容を見ましたら、全員、現役のアナウンサーで障害者はいません。しかし、先のレポートを反映してか、2017年に、障害のある人を対象に募集したパラリンピックレポーター3人が、それぞれ自らの競技歴を生かして「陸上」「ボッチャ」「競泳」を中心にレポートするようです。

また、リオ大会から始めた「ユニバーサル放送」では、放送内容と字幕のタイミングのずれを無くし、、聴覚障害者向けの「ロボット字幕」や視覚障害者向けの「ロボット実況」を7種目でインターネットで実施するなど、NHKの技術力を生かす試みもあるようですが、まだ”先輩”、チャンネル4の背中は遠いかな?