久しぶりの投稿です。私の不注意で転倒して負傷、3ヶ月近く入院していました。未だ通院リハビリの日々です。

その退院日の2月24日は奇しくもロシアのウクライナ侵攻の日。以来、メディアはプーチン大統領の思惑や、ロシアに対する制裁の件で溢れていて、追いかけるだけで大変です。

世界的なIT企業もロシア国内でサービス停止を次々に表明する中、昨日6日には、Netflixも遅ればせながら配信停止を公表しました。ほとんどのニュースメディアが簡単に報じていますが、比較的新しいニュースサイトPuckがさまざまな周辺情報を含めて報じていて、興味を惹かれました。

なんでも、ロシアは情報統制が厳しいので、Netflixのロシア進出に当たってはプーチン大統領に極めて近いオリガルヒ(政治的影響力のある新興財閥)の一人、ユーリー・コバルチック(Yuri Kovalchuk氏が創設したNMG(National Media Group)の手を借りたと報じていました。

で、Netflixはロシアにオフィスはなくスタッフもおらず、正式な合弁事業でもなかったので、ロシアの検閲法の一部を回避出来たそう。このため、ウクライナの国民が、2013年11月、親ロシア派のヤヌコビッチ大統領の方針に反対、EU参加を求めて立ち上がり、多数の死傷者を出しながら、94日間の戦いで、ついに大統領を辞任に追い込んだマイダン革命の一部始終を記録したドキュメンタリー映画「Winter on Fire:Fight to Freedom」の配信も許されていたようです。どう見ても反ロシア的なのにです。

それがいつまで配信されていたかは分かりませんが、ロシア語やウクライナ語の吹き替え、字幕付きもあるようなので、相当数のロシア人が視聴して、いかにウクライナ人がロシアの体制を嫌っていたかをせ赤裸々に示すこの映画を見ていたことでしょう。ちなみにNetflixのロシアの契約数は100万件弱だったよう。

Puckの記事はさらに脱線して、このNMGの会長には、プーチン大統領の長年のガールフレンドと言われている元オリンピック新体操の金メダリスト、アリーナ・カバエバ(Alina Kabaeva)さんについても、わざわざロンドン・タイムズの2020年の記事を引用して言及しています。

そのタイムズの記事によれば、カバエバさんが会長に任命されたのは2014年のことで、年間1000万ドル以上の報酬を得ているとあります。

さらに、PuckはニューヨークポストのゴシップセクションPage 6が3月6日に報じた、「カバエバは4人の子供とスイスで暮らしている」という記事も紹介します。情報筋によると、カバエバさんは、プーチン大統領との間に生まれた二人の息子と、双子の娘とともに暮らしているそう。

「プーチンがウクライナへの暴行を行い、罪のない市民を攻撃し、難民危機を引き起こしている間、彼の家族はスイスのどこかで非常にプライベートで非常に安全なシャレーに閉じ込められています。少なくとも今のところは」とも情報筋の話として書いているところを見ると、プーチン大統領への怒りから言及したのでしょう。

とまれ、私は「Winter on FIRE」の件も、プーチン大統領の4人の幼児の件も知らなかったので興味深い記事ではありました。とりわけ、1時間38分に及ぶドキュメンタリー映画は緊張感に溢れていて、ウクライナ人の発する<We are not afraid to die for freedom>をはじめとする自由と尊厳を希求するたくさんのフレーズが心に刺さりました。その強い思いが、今のロシアの侵攻に抵抗する力に繋がっているいるのでしょう。日本語の吹き替えも字幕もありますので、是非。