Title: | 欧州委員会、VodafoneとO2の反競争的行為を指摘 |
Updated: | 2004/10/29 |
Category: | 制度研究 |
Areas: | 欧州 ドイツ 英国 |
欧州委員会、VodafoneとO2の反競争的行為を指摘
2004年7月26日、欧州委員会は、VodafoneとO2(旧BT Cellnet)が英国市場における支配的な地位を濫用して、不当かつ法外な料金で国際ローミングを提供していたとして、EU競争法への抵触に関する異議告知書(statement of objections)を両社に送付、欧州委員会としての立場を改めて表明した。
本告知書は、欧州委員会が2001年7月に行った英国とドイツの携帯電話事業者に対する立ち入り調査を踏まえたものであり、3年間の調査・分析を経て、両社の反競争的行為に対する欧州委員会としての予備見解(preliminary position)を打ち出したものとなっている。今後、正式に競争法違反という判断が下された場合には、Vodafoneは最高額で約6,800億円、O2は同じく最高約1,144億円の制裁金を課される可能性がある。
以下、本稿では、本件に至る経緯と、欧州委員会による調査結果について簡単に紹介する。