アートとAI(後編)〜AIは脅威にあらず、アーティストがAIを使いこなすようになる

前回のコラムでは、当面はAIがアーティストの脅威にはならないであろうことを、ファクトを基に考えた。一方で、アーティストがコンセプトを作り、それを表現するためにAIを活用するケースが少しずつ出てきている。それらは、AIを使っている点では、前回紹介したMidjourneyの作品と同じだが、提示したいコンセプトのための表現手段としてAIを使っているところが大きく異なる。アートワールドに食い込んでいけるのは、このようなAIの使い方ではないだろうか。今回はこのあたりに着目したい。

アートとAI(前編)〜AIはアーティストにとって脅威にはならない

2022年8月、米コロラド州で開催されたアートコンテストのデジタルアーツ部門で、画像生成AI「Midjourney」が作成した作品が優勝に選ばれた。この作品を出品したジェイソン・アレン氏は、ボードゲーム会社の社長であり、アーティストではない。この出来事を受けて、SNSでは「AIを使えば、誰でもアート作品を作れようになった」、「アーティストが不要になる」、「アートの概念が根本から変わる」などのコメントが飛び交った。アレン氏本人も、受賞後にニューヨークタイムズの取材に対して「アートは死んだ。もう終わった。AIが勝ち、人間は負けたんだ。」と言い放っている。
果たしてそうなのか?AIはアーティストを脅かす存在なのか?今回はこれを考える。

体験型アートによる新しいお金の流れ〜チームラボがアートワールドのタブーをひっくり返した

前回に引き続きチームラボの話だ。前回は、チームラボの体験型デジタルアートが、どのようにアートワールドで評価を得てきたのかをまとめた。実はチームラボによる革新は他にもある。アートの新しいお金の流れを作ったのだ。スープストックトーキョーなどを立ち上げた連続起業家であり、アートコレクターでもある遠山正道氏はこう評する。
「チームラボはアートにおける新しいお金の流れを作った。

チームラボはなぜ世界で認められたのか〜体験型デジタルアートの源流を探る

「時代を大きく変えたシリコンバレーのIT起業家たちは全員と言っていいくらいチームラボの作品を持っています」(チームラボ代表 猪子寿之氏)
世界を動かしているシリコンバレーの起業家たちはチームラボを愛好している。チームラボの作品を求めているのは個人コレクターだけではない。世界のミュージアムもチームラボの作品を所蔵し始めている。また、チームラボには世界各国からデジタルアート展のオファーが舞い込み、さらにはデジタルアートミュージアム「ボーダレス」展でギネス記録を更新するくらいの人を集めた。世界がチームラボを求めているのだ。

鑑賞から体験へ〜デジタルアート体験が若者たちを集める

世界中でデジタルアート展を開催するチームラボが2019年にある偉業をとげた。東京開催の「ボーダレス」展の年間動員数(約220万人)が、単独アーティストのミュージアムとしては世界最多となりギネス世界記録を更新したのだ。ちなみにそれまでのトップ3は、オランダのゴッホ美術館(年間来館者数:約213万人)、スペインのピカソ美術館(同:約107万人)、スペインのダリ美術館(同:約82万人)だ。これらに勝ったのだ。スゴすぎる。

誠実なサブスクを〜サブスクを提供する全ての企業に必要な変化

「サブスクビジネスでは、寝ている虎は起こしてはいけません(休眠会員はそっとしておいて、そのまま儲け続けましょう)」(某コンサル企業日本法人代表)
これは2018年に開催された企業向けセミナーでのサブスクの専門家による発言だ。当時は特に問題にならなかったが、今なら炎上するかもしれない。
サブスク(サブスクリプション)とは、ユーザーが月額制でサービスを利用する形態のビジネスだ。

睡眠が改善する「ながら」聴き〜音声コンテンツとウェルビーイング

前回のコラムでは、忙しい日々の中で「ながら」聴きができる音声コンテンツが伸びているという話をした。音声コンテンツは生活の中の色々な「ながら」領域に浸透しつつあるが、その波は睡眠領域にも及ぶ。今、寝ながら聴く入眠のための音声コンテンツが世界中で支持を集めている。注目すべきは、単に寝るときに聴かせるだけではなく、ちゃんと現代人の睡眠に関する悩みを解決しているところだ。

可処分時間がない!〜音声コンテンツが現代にマッチする2つの理由

動画ストリーミングサービスの大手Netflixの加入者数が2四半期連続で減少した。ロシアでのサービス停止や、経済市況が見通せない中での消費者の節約志向などが要因として語られる。当然それらも一因だろう。しかし、加入者数の推移のグラフを見ると、ロシア・ウクライナ戦争が始まる前から、そして経済が不安定化する前から加入者の増加ペースが鈍くなっていることがわかる。

アップサイクルにもD2Cが効く〜ブランド公式リメイクが増えている

ある物語のワンシーンだ。こわれた器を修復する職人のつばめと、たまたま縁あってそこを訪れた絵麻。修復されたばかりの器を見て「これ素敵ですね」と顔をほころばせる絵麻に、つばめが説明する。
「金継ぎっていうんだ。割れたり欠けたりしたところを漆で継いで金粉で化粧をすること。金で繕ったその模様のことを『景色』っていうの。ただ直すんじゃなくて傷を『新しい景色』に変えていくんだ。これ、俗にいう世界に2つとないもの。」

アパレルD2Cブランドの受注生産が増えている〜受注生産+待ち時間の価値化で廃棄を減らす

2022年1月、フランスで売れ残った新品の衣料品の廃棄が禁止となった。余った商品は寄付やリサイクルの対象となり、違反したブランドには最大15,000ユーロ(約210万円)の罰金が科せられる。ファッション最先端の国は規制も最先端だ。こうなった背景にはファッション界特有の負の側面がある。ファッションブランドは売り逃がしという機会損失を避けるために需要をはるかに上回る量の商品を供給することが商習慣となっている。

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