研究員がひも解く未来

研究員コラム

カテゴリー:小林雅一

第4回 ChatGPTなど生成AIは私達の仕事や雇用をどう変えるか

第4回 ChatGPTなど生成AIは私達の仕事や雇用をどう変えるか

テック, 小林雅一

ChatGPTをはじめ生成AIは私達の仕事を支援してくれる新しい味方となるのか?それとも私達の雇用を奪う敵になるのか。これに関する大学やシンクタンクなどの論文や調査レポートが相次いで出されている。筆者がウェブ上をちょっと漁っただけでも、ここ3、4か月で少なくとも6本は報告されている。

第3回 生成AIが著作権侵害などで訴えられる――人間の作品から学んで創る人工知能はクリエーターやジャーナリストの敵となるのか?

第3回 生成AIが著作権侵害などで訴えられる――人間の作品から学んで創る人工知能はクリエーターやジャーナリストの敵となるのか?

テック, 小林雅一

テキストや画像、コンピュータ・プログラムなど様々なコンテンツを出力する生成AI。中でも対話型AI「ChatGPT」の登場以来、世間の関心を集めているが、実は法的にはグレー・ゾーンに置かれている。これら各種の生成AIは作家や漫画家、イラストレーター、プログラマーなど各方面の知的財産権を侵害し、その職業を脅かしている、という訴えや苦情は以前から聞かれた。そして今年1月、米国で画像生成AIの合法性を争う集団訴訟が起こされた。

第2回 話題のテキスト生成AI「ChatGPT」の性能評価――確かに回答には誤りが多いが、本来の実力を見極めるには今しばらく時間が必要

第2回 話題のテキスト生成AI「ChatGPT」の性能評価――確かに回答には誤りが多いが、本来の実力を見極めるには今しばらく時間が必要

テック, 小林雅一

生成型AI(人工知能)に関する連載の第2回目となる今回は、最近世間で話題のChatGPTについて見ていこう。 昨年11月末に一般公開されたChatGPT(https://chat.openai.com/chat )は、米OpenAIが開発したテキスト生成ツールだ。いわゆる「チャットボット(お喋りAI)」の一種であり、ユーザーである私達人間とテキスト・ベースの会話、つまりチャットをすることができる。 開発元のOpenAIは、2015年に著名起業家のイーロン・マスク氏やピーター・ティール氏らが総額約10億ドル(当時の為替レートで1000億円以上)を出資して立ち上げた研究機関である。設立当初は非営利団体として、単なる一企業ではなく人類全体に寄与する人工知能の研究開発を目標に掲げていた。

AIブームの第2波を巻き起こすGenerative AI:第1回 画像生成AIとは何か

AIブームの第2波を巻き起こすGenerative AI:第1回 画像生成AIとは何か

テック, 小林雅一

IT業界において、2022年はいわゆる「Generative AI(生成型の人工知能)」が注目を浴びた年だった。 ディープラーニングなど従来のAIは基本的に各種データの「分析」に使われるが、生成型のAIは(同じくディープラーニング技術に基づくとはいえ)文字通り「画像」や「テキスト(文章)」、「コンピュータ・プログラム」など各種コンテンツを「生成」するAIである。この種の人工知能は今後、AIブームの第2波を形成していくことが期待されている。その動向を新たな連載コラムとして紹介していく。初回となる本稿では、まず2022年の夏頃から次々とリリースされた「画像を生成するAI」から見ていくことにしよう。

EVでの長距離運転に四苦八苦する米国のドライバーと充電インフラの現状

EVでの長距離運転に四苦八苦する米国のドライバーと充電インフラの現状

小林雅一, 環境

クルマの電動化で先行する中国や欧州諸国に続いて、米国でもEV(電気自動車)市場が急速に立ち上がってきた。  調査会社Cox Automotiveによれば、米国では今年1〜9月までにEVの新車販売台数が前年同期比で70パーセント増加した。同時期にガソリン車も含めた新車販売台数が15パーセントも減少する中、EVだけは大幅な売上プラスとなっている。

EVは本当に環境に優しいのか「ライフ・サイクル・アセスメント(LCA)」や「鉱物資源の採掘による影響」など多角的な評価基準が求められる

EVは本当に環境に優しいのか「ライフ・サイクル・アセスメント(LCA)」や「鉱物資源の採掘による影響」など多角的な評価基準が求められる

テック, 小林雅一, 環境

中国や欧米を中心に加速するEVシフト。今年中には、世界で発売される新車の約1割はEV(電気自動車)になる見通しだ。米フォードが今年4月に発売した電動ピックアップ・トラックの「ライトニング(F-150 Lightning)」は事前に20万人の購入予約が入るなど、EVの人気はここに来て高まっている。しかし元々、今回のEVシフトは消費者というより明らかに政府主導であった。

米国で加速するEVシフトと手探りの自動車メーカー

米国で加速するEVシフトと手探りの自動車メーカー

小林雅一, 環境

ここに来て、EVシフト(従来のガソリン車から電気自動車への移行)を促す主要国・地域の取り組みが勢いを増してきた。中でも米国の動きは顕著だ。 一足早く2035年までにハイブリッド車を含む内燃エンジン車の新車販売を禁止する方針を打ち出したEU(欧州連合)に続いて、米カリフォルニア州の環境当局も8月、このEUとほぼ同様の新たな規制案を可決した。

自動運転の簡略な開発史と現状

自動運転の簡略な開発史と現状

小林雅一, 環境

今、百年に一度の大変革期にあると言われる世界の自動車産業。その変化はしばしばC(Connected)、A(Autonomous)、S(Share/Service)、E(Electric)という4つの頭文字(CASE)によって表現される。 ただ、これらの変化は必ずしも一様に進んでいるわけではない。 確かにCASEの一角をなす「電動化(Electric)」は、中国や欧州を中心に電気自動車(EV)の販売台数が毎年ほぼ倍増するなど急速に進展している。

車載電池の動向とリチウムなど鉱物資源を巡る新たな環境破壊の危険性

車載電池の動向とリチウムなど鉱物資源を巡る新たな環境破壊の危険性

小林雅一, 環境

ここ数年のコロナ禍におけるサプライチェーンの混乱や半導体不足を背景に、世界の自動車売上が停滞している。そんな中、毎年倍増のペースで推移しているのが電気自動車の販売台数だ。今後の持続的な成長の鍵を握るのが、電気自動車に搭載されるバッテリー(二次電池)の動向だ。電気自動車、特にBEV(ハイブリッド車などを除く純粋な電気自動車)の製造コストの、実に三分の一を占めるのがバッテリーと言われる。