AT&TがHuluの株を手離した


AT&TがHuluの持分を手離したことで、Huluの魅力が薄れる可能性が出てきた。

Huluのホームページより

AT&TとHuluは4月15日、AT&Tが保有するHuluの持分(9.5%)をHuluが14.3億ドルで買い取ることで合意したと発表した。Huluの企業価値は150億ドルと評価された。

この取引に関しては政府や第三者の承認は必要とされないので、署名後即時に手続き完了となった。

これにより、Huluの出資者はDisney(持分3分の2)とComcast(持分3分の1)の2社となり、HuluにおけるDisneyの支配権がますます大きくなった。

DisneyはComcastが保有する持分も買い取る方向で協議中とも報じられていることから、今後HuluをDisneyの100%子会社にしてしまう可能性もある。

この動きに関してThe Vergeは、(少なくとも現在の形での)Huluの終わりを示唆しているかもしれないと伝えている。

今の時点で「Huluはオワッタ」というのは言い過ぎだが、Disneyの支配権が大きくなることで、コンテンツの内容も変わってくることが予想される。

これまでのHuluはDisney/FOX系列のコンテンツはもとより、NBCUniversal/ComcastやWarnerMedia/AT&Tも含め、幅広いコンテンツが提供されていたが、これからはDisneyが中心となり、Disney専用になってしまう可能性もある。

Disneyは独自のストリーミングサービスとして既に「ESPN+」を提供しているが、それとは別に「Disney+」を11月12日に開始すると発表したばかり。

Huluもそれと横並びになると存在感が薄くなることは確かであり、視聴者にとっての魅力が薄れる可能性もある。下手をすると存在意義が問われかねない事態も想定される。

他のTVサービスが続々と料金を値上げしている中で、毎年赤字を出し続けているにも関わらず最安プランを値下げしたHuluにはやや好感を持っている。

ここは何とか踏ん張ってほしい。