AT&TのCMが気になる


最近テレビやラジオで流れているAT&TのCMが気になっている。

10月初めから流れているAT&Tの「Connect Before the Storm(嵐の前につなげ)」というタイトルのCMのロングバージョン。

CMの内容は、要するに、AT&Tは災害時でも通信が途切れないように、常日頃からネットワークや設備・装備を二重、三重にチェックして万全を期しているという、AT&Tの不断の努力をアピールするものだ。

CMの最初に「『嵐の前の静けさ』? そんなものはいらない」というナレーションが入る。AT&Tは嵐が来る前でも準備に忙しいので「嵐の前の静けさ」などありえない、というわけだろう。

ちなみに、このCMで流しているAT&Tのキャッチフレーズは、「Connecting Changes Everything(つなげることですべてが変わる)」というもの。

嵐の前につなげば「Change how we weather them(嵐を乗り切る方法も変わる)」というわけで、嵐が来るのに備えてせっせと通信環境を整備しているという風に見える。

ところで、気になっているのは、今なぜAT&TがこのCMを流しているのかということだ。

ハリケーンのシーズンは夏から秋にかけてだから、ハリケーンに対する注意喚起を込めてという趣旨ならば、夏の初めかその前に流してもよさそうなものだ。

冬のストームに備えてものかもしれないが、それにしては、流している映像はみんな半袖で暑そうだし、どう見ても冬の雰囲気ではない。

もちろん、嵐や災害はいつでも起こりうるので、それに備えるCMならいつ流しても構わないではないか、という議論も成り立つが、だからこそ、なぜ今なのかが余計に気になってくる。

この種の努力は今までもずっとやって来たはずで、CMの内容からすると、今回何か新しい施策を始めたということでもなさそうだ。

唐突にこんなCMを流すということは、もしかしたらAT&Tは、これから大きな嵐が来ることを知っていて、それを伝えているのではないか、という議論も成り立つ。

それに、最初のナレーションで、「『嵐の前の静けさ』?」と、クエスチョンマーク付きのイントネーションで言っているのも気になる。

これは、誰かが「嵐の前の静けさ」だと言っていることに対して、反論しているような口調だ。誰がそんなことを言っているというのか。

有名人でそんなことを言っていたのは、2017年10月にトランプ大統領が軍幹部との会合で集合写真を撮っていたときに言っていたことくらいしか思い浮かばないが。

そう言えば、その時トランプ大統領が言っていた「嵐」は、もう来たのか、それともこれからなのか、とても気になる。