量子計算機ブームに火をつけた先駆企業D-Wave Systems
1980年代に基本的なコンセプトが発案された量子コンピュータは、今世紀に入るとIBMやHPなど巨大IT企業がその試作機を作るなど、徐々に研究開発が進められてきた。
研究員がひも解く未来
量子計算機ブームに火をつけた先駆企業D-Wave Systems
1980年代に基本的なコンセプトが発案された量子コンピュータは、今世紀に入るとIBMやHPなど巨大IT企業がその試作機を作るなど、徐々に研究開発が進められてきた。
「量子ゲート」とは、従来型コンピュータの演算素子である「ゲート(論理回路)」を量子計算の基本原理である「量子並列性」に合わせて改造したものである。
夢の超高速計算機「量子コンピュータ」への投資が米国を中心に急拡大している。 世界全体での投資額は近年鰻登りで、今年は年間30億ドルを突破しそうな勢いだ。 ニューヨーク証券取引所では、「SPAC(特別買収目的会社)」と呼ばれる特殊な上場テクニックを使って、一度に20億ドルもの巨額資金を調達する量子スタートアップ企業も登場している。
量子コンピュータの幻ー量子計算機への投資ブームが巻き起こる(後編)
この「量子並列性」とは何か?私達の生きるマクロな日常世界では、白はあくまで白であり、決して黒ではない。 しかし量子力学によって説明される極小の世界では、「白は白であると同時に、黒でもある」という奇妙な状況が成立する。 要するに、一つのモノが同時に幾つもの異なる状態を取り得る。これが「量子並列性」と呼ばれる現象だ。
量子コンピュータの幻ー量子計算機への投資ブームが巻き起こる(前編)
米国を中心に、量子コンピュータへの投資がここに来て急増している。米国の調査会社PitchBank Dataによれば、世界の量子コンピュータ企業に注がれた投資額は今年1~7月の間で7億ドル(700億円以上)を超えた。
前編では、脳に装着された読み取り装置から言葉を抽出する仕組みを紹介した。 このシステムはしかし、大きな制約条件が課せられている。 一つは語彙が50個に限定されていることだ。これらはチャン教授らの研究チームが予め想定して選び出したもので、日常会話に必要とされる基本的な名詞や代名詞、動詞、疑問詞、形容詞、副詞など50単語だ。
今から18年前の交通事故で言葉を話せなくなった男性が先日、脳から直接コンピュータを操作する技術により久しぶりの会話をすることに成功した。 米国の大学で実施された臨床研究(試験)の成果である。このような技術は一般に「BMI」と呼ばれ、文字通り私達人間の脳とコンピュータのようなマシン(機械)を接続する技術だ。
脳の全容解明には程遠くてもBMIは実現できる 2019年、シンクロンはステントロードの臨床試験をオーストラリアで開始した。 ALS(筋萎縮性側索硬化症)等で身体麻痺が進行中の患者数名が、その被験者として参加した。これまでに患者が脳で念じることでパソコンに文字入力するなどの試みを行っている。
私達の脳とコンピュータやロボット・アームなどをつなぐBMI(ブレイン・マシン・インタフェース)。 その基礎研究は世界各国の大学等で1970年代から地道に進められてきたが、最近、著名起業家イーロン・マスク氏が経営するニューラリンクやフェイスブックのような巨大IT企業の参入を受けて、俄かに脚光を浴びている。