世界的な主要企業の量子コンピュータに対する取り組み 後編:マイクロソフトとアマゾン(続き)
マイクロソフトは2006年に設立した量子研究所「ステーションQ」で、「マヨラナ粒子」と呼ばれる謎の物質に基づく「トポロジカル量子コンピュータ」の研究を進めてきた。 しかし、このマヨラナ粒子は理論的に予言されているだけで、その存在は未だ確認されていない。 この存在を実験で証明する必要があったが、そのためにマイクロソフトが白羽の矢を立てたのが、デルフト工科大学のレオ・カウウェンホーフェン博士だった。
研究員がひも解く未来
世界的な主要企業の量子コンピュータに対する取り組み 後編:マイクロソフトとアマゾン(続き)
マイクロソフトは2006年に設立した量子研究所「ステーションQ」で、「マヨラナ粒子」と呼ばれる謎の物質に基づく「トポロジカル量子コンピュータ」の研究を進めてきた。 しかし、このマヨラナ粒子は理論的に予言されているだけで、その存在は未だ確認されていない。 この存在を実験で証明する必要があったが、そのためにマイクロソフトが白羽の矢を立てたのが、デルフト工科大学のレオ・カウウェンホーフェン博士だった。
世界的な主要企業の量子コンピュータに対する取り組み 後編:マイクロソフトとアマゾン
米マイクロソフトの量子コンピュータに対する取り組みはかなり以前まで遡る。 2006年、同社はカリフォルニア大学サンタバーバラ校に「ステーションQ」と呼ばれる研究拠点を設け、ここで産学連携による量子コンピュータの共同研究を開始した。このカリフォルニア大学サンタバーバラ校とはグーグルも共同研究を進めているが、相手となる研究者がマイクロソフトとでは異なる。
世界的な主要企業の量子コンピュータに対する取り組み 中編:IBM
2019年10月、グーグルが自主開発した量子コンピュータで「量子超越性」を達成したと主張した際、IBMは即座にその信ぴょう性を疑う声明を発表した。 グーグルが「我々の量子コンピュータを使えば200秒で解けるが、従来のコンピュータなら1万年かかる」とする特殊な計算問題は、実は既存のIBM製スパコンを使っても2日半で計算が終わるという。
世界的な主要企業の量子コンピュータに対する取り組み 前編:NECとグーグル
カナダの量子スタートアップ企業D-Wave Systemsが2013年に発売した第二号機D-Wave 2は、グーグルやNASAが共同で採用するなどして世界的な注目を浴びた。
量子計算機ブームに火をつけた先駆企業D-Wave Systems
1980年代に基本的なコンセプトが発案された量子コンピュータは、今世紀に入るとIBMやHPなど巨大IT企業がその試作機を作るなど、徐々に研究開発が進められてきた。
「量子ゲート」とは、従来型コンピュータの演算素子である「ゲート(論理回路)」を量子計算の基本原理である「量子並列性」に合わせて改造したものである。
夢の超高速計算機「量子コンピュータ」への投資が米国を中心に急拡大している。 世界全体での投資額は近年鰻登りで、今年は年間30億ドルを突破しそうな勢いだ。 ニューヨーク証券取引所では、「SPAC(特別買収目的会社)」と呼ばれる特殊な上場テクニックを使って、一度に20億ドルもの巨額資金を調達する量子スタートアップ企業も登場している。
量子コンピュータの幻ー量子計算機への投資ブームが巻き起こる(後編)
この「量子並列性」とは何か?私達の生きるマクロな日常世界では、白はあくまで白であり、決して黒ではない。 しかし量子力学によって説明される極小の世界では、「白は白であると同時に、黒でもある」という奇妙な状況が成立する。 要するに、一つのモノが同時に幾つもの異なる状態を取り得る。これが「量子並列性」と呼ばれる現象だ。
量子コンピュータの幻ー量子計算機への投資ブームが巻き起こる(前編)
米国を中心に、量子コンピュータへの投資がここに来て急増している。米国の調査会社PitchBank Dataによれば、世界の量子コンピュータ企業に注がれた投資額は今年1~7月の間で7億ドル(700億円以上)を超えた。