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研究員コラム

カテゴリー:小林雅一

世界的な主要企業の量子コンピュータに対する取り組み 後編:マイクロソフトとアマゾン

世界的な主要企業の量子コンピュータに対する取り組み 後編:マイクロソフトとアマゾン

サイエンス, 小林雅一

米マイクロソフトの量子コンピュータに対する取り組みはかなり以前まで遡る。 2006年、同社はカリフォルニア大学サンタバーバラ校に「ステーションQ」と呼ばれる研究拠点を設け、ここで産学連携による量子コンピュータの共同研究を開始した。このカリフォルニア大学サンタバーバラ校とはグーグルも共同研究を進めているが、相手となる研究者がマイクロソフトとでは異なる。

世界的な主要企業の量子コンピュータに対する取り組み 中編:IBM

世界的な主要企業の量子コンピュータに対する取り組み 中編:IBM

サイエンス, 小林雅一

2019年10月、グーグルが自主開発した量子コンピュータで「量子超越性」を達成したと主張した際、IBMは即座にその信ぴょう性を疑う声明を発表した。 グーグルが「我々の量子コンピュータを使えば200秒で解けるが、従来のコンピュータなら1万年かかる」とする特殊な計算問題は、実は既存のIBM製スパコンを使っても2日半で計算が終わるという。

量子ゲートとは何か?

量子ゲートとは何か?

サイエンス, 小林雅一

「量子ゲート」とは、従来型コンピュータの演算素子である「ゲート(論理回路)」を量子計算の基本原理である「量子並列性」に合わせて改造したものである。

量子計算機の黎明期を振り返る

量子計算機の黎明期を振り返る

サイエンス, 小林雅一

夢の超高速計算機「量子コンピュータ」への投資が米国を中心に急拡大している。 世界全体での投資額は近年鰻登りで、今年は年間30億ドルを突破しそうな勢いだ。 ニューヨーク証券取引所では、「SPAC(特別買収目的会社)」と呼ばれる特殊な上場テクニックを使って、一度に20億ドルもの巨額資金を調達する量子スタートアップ企業も登場している。  

量子コンピュータの幻ー量子計算機への投資ブームが巻き起こる(後編)

量子コンピュータの幻ー量子計算機への投資ブームが巻き起こる(後編)

サイエンス, 小林雅一

この「量子並列性」とは何か?私達の生きるマクロな日常世界では、白はあくまで白であり、決して黒ではない。 しかし量子力学によって説明される極小の世界では、「白は白であると同時に、黒でもある」という奇妙な状況が成立する。 要するに、一つのモノが同時に幾つもの異なる状態を取り得る。これが「量子並列性」と呼ばれる現象だ。

ブレインテックの衝撃・完結編(後編)

ブレインテックの衝撃・完結編(後編)

サイエンス, テック, 小林雅一

前編では、脳に装着された読み取り装置から言葉を抽出する仕組みを紹介した。 このシステムはしかし、大きな制約条件が課せられている。 一つは語彙が50個に限定されていることだ。これらはチャン教授らの研究チームが予め想定して選び出したもので、日常会話に必要とされる基本的な名詞や代名詞、動詞、疑問詞、形容詞、副詞など50単語だ。