昨今、スマホアプリで自分の健康や身体に関するデータを簡便かつ客観的に確認できるようになった。歩数、心拍数、体脂肪などスマホで把握できる。これらのデータはPHRとも呼ばれ、近年、研究での活用が注目されている。
研究員がひも解く未来
研究員コラム
カテゴリー:サイエンス
今から1~5年以内に実現されそうなAGI(汎用人工知能) 前編 –– その曖昧な定義と新たな労働力としての意味
一昔前なら「単なるSF」と一笑に付された「AGI(Artificial General Intelligence:汎用人工知能)」が、ここに来て俄かに現実味を帯びてきた。
主要各国の取り組み――量子コンピュータは社会・経済・世界をどう変えるか(連載最終回)
世界の社会・経済に劇的な変革をもたらすと見られる量子コンピュータは、国家間の力関係にも多大な影響を与えそうだ。 世界の主要国はこれまで、自国の経済や安全保障を左右する量子コンピュータの研究開発に多額の予算を投じてきた。 技術分析・未来予測等のコンサルティング会社アスタミューゼの調べでは、首位の米国は2018年までの10年間で推定10億6000万ドル、2位の英国は同じ期間に同8億3000万ドルを量子コンピュータの研究開発に注ぎ込んだ。
化学、製薬、物流――量子コンピュータは社会・経済・世界をどう変えるか
日米欧や中国など主要国・地域が競うように開発を進める次世代の超高速計算機「量子コンピュータ」。 最終目標である「誤り耐性」量子コンピュータには、少なくとも100万個以上の量子ビットが必要とされる。それが実現されるのは今から10〜20年先と見られるが、「NISQ(ノイズあり中規模量子デバイス)」と呼ばれる1000量子ビット級の量子コンピュータは2023年にも登場する見通しだ。
グーグルやIBM、アマゾンなど世界的な巨大IT企業、あるいは日米欧中をはじめ主要国・地域の大学や産業界が競うように開発を進める夢の超高速計算機「量子コンピュータ」。 近い将来、実用機が登場した暁には、私達の生きる社会や経済、ひいては世界をどう変えるだろうか? このような問題提起はやや大げさに感じられるかもしれない。 しかし現在のコンピュータについて同じ質問を投げかけてみると、決して大げさではないことが分かる。
世界的な主要企業の量子コンピュータに対する取り組み 後編:マイクロソフトとアマゾン(続き)
マイクロソフトは2006年に設立した量子研究所「ステーションQ」で、「マヨラナ粒子」と呼ばれる謎の物質に基づく「トポロジカル量子コンピュータ」の研究を進めてきた。 しかし、このマヨラナ粒子は理論的に予言されているだけで、その存在は未だ確認されていない。 この存在を実験で証明する必要があったが、そのためにマイクロソフトが白羽の矢を立てたのが、デルフト工科大学のレオ・カウウェンホーフェン博士だった。
世界的な主要企業の量子コンピュータに対する取り組み 後編:マイクロソフトとアマゾン
米マイクロソフトの量子コンピュータに対する取り組みはかなり以前まで遡る。 2006年、同社はカリフォルニア大学サンタバーバラ校に「ステーションQ」と呼ばれる研究拠点を設け、ここで産学連携による量子コンピュータの共同研究を開始した。このカリフォルニア大学サンタバーバラ校とはグーグルも共同研究を進めているが、相手となる研究者がマイクロソフトとでは異なる。
世界的な主要企業の量子コンピュータに対する取り組み 中編:IBM
2019年10月、グーグルが自主開発した量子コンピュータで「量子超越性」を達成したと主張した際、IBMは即座にその信ぴょう性を疑う声明を発表した。 グーグルが「我々の量子コンピュータを使えば200秒で解けるが、従来のコンピュータなら1万年かかる」とする特殊な計算問題は、実は既存のIBM製スパコンを使っても2日半で計算が終わるという。
世界的な主要企業の量子コンピュータに対する取り組み 前編:NECとグーグル
カナダの量子スタートアップ企業D-Wave Systemsが2013年に発売した第二号機D-Wave 2は、グーグルやNASAが共同で採用するなどして世界的な注目を浴びた。