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カテゴリー:サイエンス

主要各国の取り組み――量子コンピュータは社会・経済・世界をどう変えるか(連載最終回)

主要各国の取り組み――量子コンピュータは社会・経済・世界をどう変えるか(連載最終回)

サイエンス, 小林雅一

世界の社会・経済に劇的な変革をもたらすと見られる量子コンピュータは、国家間の力関係にも多大な影響を与えそうだ。 世界の主要国はこれまで、自国の経済や安全保障を左右する量子コンピュータの研究開発に多額の予算を投じてきた。 技術分析・未来予測等のコンサルティング会社アスタミューゼの調べでは、首位の米国は2018年までの10年間で推定10億6000万ドル、2位の英国は同じ期間に同8億3000万ドルを量子コンピュータの研究開発に注ぎ込んだ。

化学、製薬、物流――量子コンピュータは社会・経済・世界をどう変えるか

化学、製薬、物流――量子コンピュータは社会・経済・世界をどう変えるか

サイエンス, 小林雅一

日米欧や中国など主要国・地域が競うように開発を進める次世代の超高速計算機「量子コンピュータ」。 最終目標である「誤り耐性」量子コンピュータには、少なくとも100万個以上の量子ビットが必要とされる。それが実現されるのは今から10〜20年先と見られるが、「NISQ(ノイズあり中規模量子デバイス)」と呼ばれる1000量子ビット級の量子コンピュータは2023年にも登場する見通しだ。

量子コンピュータは社会・経済・世界をどう変えるか

量子コンピュータは社会・経済・世界をどう変えるか

サイエンス, 小林雅一

グーグルやIBM、アマゾンなど世界的な巨大IT企業、あるいは日米欧中をはじめ主要国・地域の大学や産業界が競うように開発を進める夢の超高速計算機「量子コンピュータ」。 近い将来、実用機が登場した暁には、私達の生きる社会や経済、ひいては世界をどう変えるだろうか? このような問題提起はやや大げさに感じられるかもしれない。 しかし現在のコンピュータについて同じ質問を投げかけてみると、決して大げさではないことが分かる。

世界的な主要企業の量子コンピュータに対する取り組み 後編:マイクロソフトとアマゾン(続き)

世界的な主要企業の量子コンピュータに対する取り組み 後編:マイクロソフトとアマゾン(続き)

サイエンス, 小林雅一

マイクロソフトは2006年に設立した量子研究所「ステーションQ」で、「マヨラナ粒子」と呼ばれる謎の物質に基づく「トポロジカル量子コンピュータ」の研究を進めてきた。 しかし、このマヨラナ粒子は理論的に予言されているだけで、その存在は未だ確認されていない。 この存在を実験で証明する必要があったが、そのためにマイクロソフトが白羽の矢を立てたのが、デルフト工科大学のレオ・カウウェンホーフェン博士だった。

世界的な主要企業の量子コンピュータに対する取り組み 後編:マイクロソフトとアマゾン

世界的な主要企業の量子コンピュータに対する取り組み 後編:マイクロソフトとアマゾン

サイエンス, 小林雅一

米マイクロソフトの量子コンピュータに対する取り組みはかなり以前まで遡る。 2006年、同社はカリフォルニア大学サンタバーバラ校に「ステーションQ」と呼ばれる研究拠点を設け、ここで産学連携による量子コンピュータの共同研究を開始した。このカリフォルニア大学サンタバーバラ校とはグーグルも共同研究を進めているが、相手となる研究者がマイクロソフトとでは異なる。

世界的な主要企業の量子コンピュータに対する取り組み 中編:IBM

世界的な主要企業の量子コンピュータに対する取り組み 中編:IBM

サイエンス, 小林雅一

2019年10月、グーグルが自主開発した量子コンピュータで「量子超越性」を達成したと主張した際、IBMは即座にその信ぴょう性を疑う声明を発表した。 グーグルが「我々の量子コンピュータを使えば200秒で解けるが、従来のコンピュータなら1万年かかる」とする特殊な計算問題は、実は既存のIBM製スパコンを使っても2日半で計算が終わるという。

量子ゲートとは何か?

量子ゲートとは何か?

サイエンス, 小林雅一

「量子ゲート」とは、従来型コンピュータの演算素子である「ゲート(論理回路)」を量子計算の基本原理である「量子並列性」に合わせて改造したものである。