Googleの自動運転車が警官に止められた


Googleの自動運転車が警官に止められたと話題になっている。のろのろ運転だったのが原因だが、交通違反ではなかった。

警官に止められているところを、Zandr Milewskiさんが写真に撮ってFacebookにアップしたことから拡散して話題になった。

マウンテンビュー警察のブログにその時の状況が投稿されている。

マウンテンビュー市内のエル・カミノ・リアル通り東方向の3番車線(進行方向の左端車線が1番。右に向かって順に2番、3番と数える。この道路は片側3車線だから、3番車線は一番歩道寄りの車線)をのろのろ運転していた車があり、後続車が渋滞していた。

制限速度は35マイルのところ、その車は24マイルで走行していた。のろのろ運転の車に近づいてみたら、それはGoogleの自動運転車だった。

警官はその車を停止させ、運行責任者に道路に応じた速度の選択はどうなっているのかを確認し、円滑な交通を妨げるような走行をしてはいけないという法律(カリフォルニア州車両法第22400条(a))があるのだよと教えた。

普通なら、この法律に違反したということで、交通違反になることもある。ところが、今回問題になったGoogleの自動運転車は、LEXUSのSUVではなくて可愛らしい試作車の方だ。

Googleの自動運転車の試作車(Google+のGoogle Self-Driving Car Projectページより)
Googleの自動運転車の試作車(Google+のGoogle Self-Driving Car Projectページより)

この試作車は特別な車両として区分されている。「NEV(Neighborhood Electric Vehicle:近隣電動車両)」という近隣走行用の低速車の区分だ。

NEVに区分されると、性能上、最大時速は25マイルに制限される。その代わり、シートベルトなど車両の安全基準等が緩和される。

なお、NEVの所有者はこれを時速35マイルまで出せるように改造することも認められている。ただし、そのように改造した車両は安全基準の緩和が適用されないので、通常の車両なみの安全基準を満たす義務が生じ、それを守らないと違反となる。

また、カリフォルニア州ではNEVは制限速度が35マイル以下の公道を走行することが認められている。よって、改造していないNEVが25マイル以下で公道を走行することは差し支えないし、むしろ正しいNEVの走行法と言える。

今回警官に止められたGoogleの自動運転車は、渋滞を引き起こしてはいたが正しい走行をしていただけなので、法律違反にならなかったというわけだ。

Google+のGoogle Self-Driving Car Projectページによると、これまでにGoogleの自動運転車は120万マイルを走行している(普通の人なら運転歴90年に相当する)が、今までに一度も交通違反で切符を切られたことがないそうだ。

お見事!