AppleがPodcastのサブスクを導入


AppleがPodcastのサブスクリプション型サービスを導入すると発表した。これはSpotifyへの対抗策だ。

Appleの発表資料より

Appleは4月20日、オンラインで開催したイベントで、Podcastのアプリを刷新するとともに、サブスク型サービス「Apple Podcasts Subscriptions」を5月に導入すると発表した。

サブスク型サービスの「購読料」はコンテンツを作成するクリエイターが設定する。広告なしや先行配信、独占配信などのプレミアムチャンネルを設定したり、ここまでは無料でこれから先は有料など、多彩なコンテンツ提供が可能になる。

Appleはクリエイターの購読料収入から、最初の1年間は30%を、1年経過後は15%を手数料として徴収するほか、クリエイター向けにコンテンツ作成ツールが利用できる「Apple Podcasters Program」を年間19.99ドルで提供して、Podcastの収益化を図る。

クリエイターにとってもAppleにとってもハッピーなソリューションのように見えるが、果たして皆がハッピーになれるのか。

Reutersによれば、これはAppleによるSpotifyへの対抗策だ。SpotifyはPodcastで最近急成長しており、2021年にはリスナー数でAppleのPodcastを追い抜くと予想されている。さらに2月にはサブスク型サービスを試行導入することも明らかにしていた。

Appleからすれば、もともとAppleから生まれたPodcast(iPod+broadcasting)で、Appleがまだ収益化できていないのに弱小の競合他社が先に収益化するとはけしからん、ということになるだろう。

Spotifyからすれば、今までさんざんAppleに邪魔をされながらも一生懸命に育て上げてやっと軌道に乗ってきたPodcast事業なのに、Appleはまたしても邪魔をする気か、ということになるだろう。

折しも、上院司法委員会の反トラスト小委員会ではAppleとGoogleのアプリストアにおける反競争的行為に関する公聴会が21日に行われ、Spotifyのオラシオ・グティエレス最高法務責任者も出席して、Appleの反競争的行為がいかにひどいかについて証言している。

弱小の競合他社たちは、Appleに対する不満が相当高まっているようだ。