VerizonがケーブルTV大手のCharter Communicationsに買収の話を持ちかけたが、断られていたことがわかった。
New York Postによると、VerizonはケーブルTV第2位のCharter Communicationsに買収を持ちかけていた。買収金額は1株あたり350ドルから400ドルで、総額1,000億ドルを優に超える。
これに対して、Charterは、「安すぎる」として断ったということだ。まだ身売りする準備ができていなかったようだが、金額によっては話が進んでいた可能性がある。
Verizonとしては、Charterを買収したいのはやまやまだが、そんなにお金は出せないという状況だ。
Verizonの事情については、RCR Wireless Newsが「にっちもさっちもいかない」状況だと伝えている。それは大要、以下のようなものだ。
- Verizonの取締役会は6月1日、配当金を前四半期と同じく1株あたり57.75セントとすると発表した。
- Verizonは配当金の利回りをAT&Tと張り合っている(現状ともに5.1%)ので、配当金を下げるわけにはいかない。
- この配当金を維持するためには、1株あたりの利益を下げるようなやり方での買収はできない。すなわち、買収に必要な資金を株式発行で賄うことはできない。
- したがってCharterのような大手を買収するために必要な資金は借り入れで賄うしかない。
- しかし、第1四半期の決算は悪く、借入金の利益(EBITDA)に対する比率は過去最大になった。もうこれ以上借り入れを増やすわけにはいかない。
というわけで、Verizonは今のところ、Charterのような大手を買収することは難しい状況だ。
まずは最近買収したYahoo(44.8億ドル)、Straight Path(31億ドル)、XO Communications(18億ドル)を「消化」して体調を整えることが先決だ。
消化不良を起こしてしまっては元も子もない。