ドーナツ業界の「Walmart逆効果」


最近Dunkin’ Donutsがサンフランシスコ・ベイエリアに進出して注目を集めているが、ドーナツ業界は必ずしも大手が有利とは限らないようだ。

近所の小さなドーナツ屋さんにて
近所の小さなドーナツ屋さんにて

小売業界には「Walmart効果」というものがある。Walmartのような大規模な店舗が出店すると、その地域の小さなお店が経営悪化して廃業に追い込まれるというものだ。

ところがEast Bay Timesによれば、ベイエリアのドーナツ業界では、これと逆の現象が起こっている。「Walmart逆効果」とでも呼ぶべきものだ。

Dunkin’ Donutsがベイエリアに進出したのは今回が初めてではない。1980年代にもサンノゼ、サクラメントなど数か所に進出したが、結局地元の小さなドーナツ屋さんとの競争に負けて十数年前にすべて撤退してしまっていた。

Krispy Kremeもいろいろあったが最盛期より店舗数は随分減り、結構苦労しているとのことだ。

それに引き換え、街角の「Mom and pop(家族経営)」のドーナツ屋さんは、昔から何十年も続いているお店が結構ある。

たとえばDunkin’ Donutsのベイエリア再進出第1号店の近くにあるChristy’s Donutsは30年、Stan’s Donuts Shopは50年も続いているという。

地域に密接に結びついて、安定した固定客がついていることや、お店ごとに特色を出しやすいので、差別化ができているという側面もあるようだ。

そういうわけで、Dunkin’ Donutsが進出しても、地元の小さなドーナツ屋さんはそれほど脅威には感じていないようだ。

ドーナツは大きければいいというものではない。