真に望まれる旅行者向けプランとは


サンフランシスコの「人力車」にT-Mobileのツーリストプランの広告を発見し、真に望まれる旅行者向けプランとは何かを考えさせられた。

「人力車」と言っても自転車で漕いで引っ張るタイプの「Pedicab」と呼ばれる観光客向けの乗り物。ボディの後面が広告用のスペースになっている。

T-Mobileの「ツーリストプラン」は米国にやって来る旅行者向けのプリペイドプラン。低料金志向の居住者向けのプリペイドプランとは一味違う。

プランの内容は、30ドルの料金で高速データが2GBまで使えて、2GBを超えると低速になるが無制限に使えて、テキストは無制限、米国内の通話が1,000分まで使えるというもの。

このプランには他のプリペイドプランに比べてユニークな点がある。

他のプリペイドプランは1か月単位が普通だが、ツーリストプランは有効期間が21日間に設定されている。

他のプリペイドプランは有効期間が切れてもリチャージして使い続けることができ、一旦利用を止めても一定期間内であればまた同じ番号で利用を再開することができるが、ツーリストプランは期間が過ぎるとSIMは無効になり、二度と使えない。

料金的には1日単位の旅行者向けプリペイドサービスと1か月単位の居住者向けプリペイドプランの間を埋めるもの。

仕事などで頻繁に米国に訪れる旅行者向けではなく、1回限りや次にいつ来るかわからないような旅行者で、かつ1回につき1-3週間滞在するような旅行者に適したプランだ。

ただし、旅行者向けのプランとは言え、料金の支払いには米国発行のクレジットカードが必要で、SIMカードの送付先として米国内の住所が必要なことなど、改善の余地がある。

旅行者にとって一番便利なのは、自国で普段使っている端末が、そのまま追加料金なしで旅行先でも使えることだ。

たとえばT-MobileとSprintは、日本を含む百数十か国で使える無料のローミングサービスを提供している。

両社の加入者が日本などの対象国に旅行したときは、追加料金なしでテキストとデータが無制限に使える。

データは2G速度ということになっているが、SprintのiPhoneを日本で使ったときに速度を測ってみたら、下りで10Mbps以上出たこともあり、通常の使用にはほとんど支障がなかった。

対象国では通話が1分20セントと有料になってしまうが、Wi-Fiコーリングを使うと対象国から米国宛の通話は無料になるので、実質的に米国にいるのと同様に使える。

これは真に望まれる旅行者向けサービスに近い。