Alexaが夫婦の会話を盗聴・漏洩


AmazonのAlexaが夫婦の会話を無断で録音して知り合いに送ってしまったという事件が起こった。KIRO 7 Newsによると、その原因は、驚くほどの偶然が重なったものらしい。

プライバシーを侵害されたとしてAmazonに調査と説明を求めたのは、オレゴン州ポートランドに住むダニエルさん。彼女の家では各部屋にAmazon Echoを置いて、暖房や照明やセキュリティアラームを音声でコントロールしていた。

ある日突然、シアトルの知り合いから電話がかかって来た。「今すぐAlexaを外しなさい。ハックされているよ」と言う。その知り合いというのは夫の会社の従業員で、住所録に登録されている人だった。

慌てて全部屋のEchoを取り外してから詳しく話を聞くと、自宅での会話が録音された音声ファイルが送られてきたとのこと。夫は最初、「そんなはずはない」と信じようとしなかったが、知り合いが「ハードウッドのフローリングの話をしていただろう」と言ったので、「そのとおり」と青ざめた。

念のため音声ファイルを送り返してもらって確認すると、まさに自分たちの会話。これがシアトルの人に聞かれていたとは、信じられない。完全にプライバシーの侵害ではないか。

もう二度とAlexaなんか使うものかと決意して、彼女はAmazonに電話した。Amazonのエンジニアが調査したところ、彼女が申告したとおりのことが起こったことがログで確認された。

Amazonの担当者は30分くらいの会話の中で15回くらい「済みません」と謝っていたが、どうしてそんなことが起こってしまったのかとか、他のユーザにも同様の問題が起こっているのかなどについての説明はなかった。

この事件をニュースとして取り上げたワシントン州のテレビ局(KIRO 7)がAmazonに問いただしたところ、以下のような回答が返ってきた。

Echoが夫婦の会話の中で「Alexa」というような単語を聞き取って、命令を待つ態勢に入った。その後、夫婦の会話の中で「メッセージを送って」というようなフレーズを聞き取った。そこでAlexaは「誰に送りますか」と聞いて、送り先の名前を聞き取る態勢に入った。その後、夫婦の会話の中で住所録に登録されている知り合いの名前が出てきたのを聞き取った。Alexaは「XXXさんでいいですか」と確認した。その後、夫婦の会話の中から「はい」というような言葉を聞き取ったので、メッセージを送信した、という次第だ。

要するに、すごい偶然がいくつも重なったもの。こんな偶然ってあるのか。

ところで、我が家のAlexaも予期せず反応することがある。「Alexa」に似たような言葉に反応することもあれば、会話の中で実際に「Alexa」という単語が出て反応してしまうこともある。

ただ、その後は、Alexaにとって意味不明な言葉が続くためか、「済みませんが答えを見付けられませんでした」と返ってくるか、何も言わずに待機中を示すライトが消えてしまうか、どちらかだ。未だかつて、意図せずその先へ進んだことがない。

本当にAlexaに何か聞きたくて質問したときでも、「済みません・・・」との返事が返ってくることも度々ある。何度か繰り返してやっと伝わることも多い。

おそらくこちらの発音が悪いか、我が家のAlexaのヒアリングの精度があまり高くないか、その両方かだろうが、それくらいで丁度いいのかもしれない。