このところ、Amazonに関する「フェイクニュース」とも言える情報が立て続けに流れた。
1つ目は、Amazonが独自スマホの開発に再挑戦しているというもの。
Amazonの独自スマホと言えば、2014年6月に発表され、同7月からAT&Tによる独占販売が開始された「Fire Phone」があったが、これは鳴かず飛ばずで大失敗に終わり、1年で製造・販売を中止してしまった。これに懲りずに、再挑戦するというのか。
The Wrapは、7月29日、Amazonが独自スマホの開発を進めているとの情報を報じた。
テレビ番組を批評するジャーナリストで構成する「テレビ批評家協会(TCA)」の視察ツアーで、Amazon StudioのヘッドのJenn Salke氏が、Amazonプライムビデオのユーザインターフェイス(UI)を改善していることに関連し、「新しいスマホの見本が既にある」と説明したからだ。
これを受けて、各メディアも「Amazonが独自スマホを開発中」と一斉に報じた。ところが翌日になって、これは間違いだったと訂正された。
「新しいUIの見本をインストールしたスマホが既にある」というのが真意だったようで、新しいのはUIの方で、スマホ自体は既存のものだった。
2つ目は、AmazonがEcho Spotを無料で配布するというもの。
Echo Spotは直径10センチ弱の球形の本体の一部を切り取った平らな面に2.5インチの円形ディスプレイを埋め込んだ可愛らしいスマートスピーカー。
情報を音声で知らせてくれるだけでなく、文字や画像や動画でも表示できるので、用途は格段に広がる。時刻を表示させれば目覚まし時計にもなる。
TechCrunchによれば、7月29日、Echo Spotの販売サイトで白のEcho Spotの価格が「0.00ドル」と表示された。通常は129.99ドルもする代物。これが無料になるなら是非もらいたいものだ。
注文が殺到したようで、販売サイトではすぐに「在庫切れ」になってしまった。幸運にも注文が完了できたユーザはいたようだ。

ところが、TechCrunchがAmazonに確認したところ、「無料」というのは間違いだったとの答えが返ってきた。技術的なエラーが原因だったとのことだ。
その後、注文を完了したユーザに対して、注文内容にエラーがあり表示された価格は間違いだったので配達することはできないとして、注文をキャンセルする旨を通知した。
いずれの偽情報も誰かが意図的に流したものではなかったが、同じような時期に間違いが原因でAmazonの「フェイクニュース」が2つも重なるという珍現象だった。