Appleが「iPhoneの次」に向け再編

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Appleが「iPhoneの次」に向けて組織再編を進めている。

Appleは最近、経営層のメンバーを入れ替えるとともに、サービスやプロジェクトの優先順位の見直しを進めている。iPhone依存体質からの脱却に向けた取り組みの一環、とThe Wall Street Journalが伝えている。

ここ数か月間の役員人事としては、AI部門トップのJohn Giannandrea氏が役員に昇格した。小売部門トップのAngela Ahrendts氏と人事トップのDeirdre O’Brien氏とSiriの音声アシスト部門担当役員のBill Stasiorが退任した。

Appleの自動運転車プロジェクト「プロジェクト・タイタン」は、Teslaのエンジニアリング部門のトップだったDoug Field氏を昨年8月に引き抜いて責任者に据え、1,400人体制で進めていたが、1月に要員を200人削減した。

サービス事業部門を率いるEddy Cue氏は、同部門のエンジニアの多くをビデオコンテンツ関連業務に振り向けた。2017年にはSony Pictures Televisionから2人の役員を迎え入れている。

このような動きは次の10年を見据えた体制作りを図っているものであり、技術の進化に合わせて絶えず組織を見直す必要に迫られている、と見るアナリストもいる。

まだ具体的な「iPhoneの次」は見えていないが、有望な分野には既に先行する強力なライバルがいる。たとえば、ビデオはNetflix,自動運転車はGoogle、AIスピーカーはAmazonなど。いずれにしても厳しい競争が待ち受けている。

Appleのサービス事業も有望な成長分野だ。たとえば、音楽ストリーミングの加入料、Appストアの売上、モバイル決済などが伸びている。2020年度までにはサービス事業の売上が500億ドルに達する見込みで、向こう5年間の全社売上の伸びの60%以上に貢献するだろうと、Morgan Stanleyは見ている。

Appleの各種加入型サービスの加入者数は現在3億6,000万件。Appleは2020年までに5億件突破を目指す。これを達成するために、ビデオを加入型サービスに組み込もうとしている。今年だけで10億ドル以上つぎ込んでハリウッドの有名スターを起用した独自コンテンツを制作する予定だ。

スマホ需要が頭打ちでiPhoneの売上も減少しているは言え、iPhoneは依然として全社の売上の3分の2を占める重要な稼ぎ柱。iPhoneファンをつなぎとめるための努力も大切だ。

Amazonがビデオや音楽を使ってプライムメンバーシップの価値を高めたのと同じように、Appleはモバイル決済、音楽、ビデオでiPhoneユーザをつなぎとめようとしている。

Appleの今後の事業戦略では、とりわけビデオサービスが重要な役割を担うことになりそうだ。

3月25日のメディアイベントに注目したい。