5GのiPhoneに暗雲


5G対応のiPhoneが2020年に出るのかどうか、暗雲漂う状況になってきた。

Androidスマホは5G対応のものが2019年に出始めるのに対し、iPhoneの5G対応は2020年になると報じられていた。

ところが4月3日に、「5G対応のiPhoneは2020年に出ないかもしれない」と、Fast Companyなどが報じた。Intelの5Gモデムチップの開発が予定よりも遅れているからだ。

5G対応のiPhoneに搭載すべくIntelが開発しているのは、XMM 8160 5Gモデム。2020年9月の新iPhone発売に間に合わせるためには、2019年の夏にはサンプル品をAppleに納入して、2020年初めには完成品を納入しなければならないが、関係者によればその開発工程における節目節目の期限が守られていないとのことだ。

2020年でも他社より一歩遅れるというのに、さらにもう1年遅れるとすれば、AppleやiPhoneファンにとっては大きな痛手だ。

なお、Intelはこの報道に対して即座に反論し、「2018年11月に発表したとおり、2020年に発売される新端末向けにXMM 8160 5Gモデムを提供する計画である」と述べている。

どの情報が正しいのかは定かではないが、火のないところに煙は立たないという諺もあることからすれば、おそらく間に合わない可能性が出てきたのだろうと推察される。

Appleは、Intelのみを頼りにするのは危険だとして、他のサプライヤーとも既に協議に入っている。他のサプライヤーとしては、今のところ、SamsungとMediatekの名前が挙がっている。

両社ともそれぞれに問題があり、現実的には難しいだろうから、Intelがダメなら翌年回しとなる可能性が高いと、UBSのアナリストは見ている。

訴訟で関係が悪化しているQualcommと縒りを戻すのが最良策との見方もあるが、関係悪化のレベルが半端ないことから、これも現実的には難しい。

果たして2020年に5GのiPhoneが出るのか出ないのか、それが問題だ。