代替肉の雲行きが怪しい


植物由来の代替肉の雲行きが怪しい。

スーパーの代替肉コーナーにて

業界最大手のBeyond Meatが11月8日に発表した第3四半期決算では、グローバルベースの売上が7,530万ドルで、前年同期比8.7%減。アナリスト予想の8,650万ドルを大きく下回る結果となった。

とりわけ、米国国内の需要減が顕著になっており、リテールチャンネル(スーパー等)での売上は前年同期比33.9%減となる3,050万ドル。その主な要因は販売量が18.8%減少した上に、値引き販売により1ポンドあたりの単価が18.6%低下したこと。

米国のフードサービスチャンネル(レストラン等)での売上も前年同期比21.6%減となる1,250万ドル。その主な要因は販売量が37.7%減少したこと。これは前年同期にクイックサービス(ファストフード)レストランで期間限定の提供をしたが、今年はそれをやらなかったのが主原因としている。今年はそれをやらなかったのは、あまり評判がよくなかったからだろうと推察される。

2023年度通期の見通しについても、売上は前年比21-19%の減少となる3.3-3.4億ドルのレンジに下方修正した。

米国でなぜ代替肉の需要が減少しているのかについては、それを示唆するさまざまな情報が出回っている。たとえば、New York Post紙は、「気色悪いし健康にも悪い」、「推進派のメディアは代替肉が動物肉を駆逐し、健康を増進し、温室効果ガスから森林を守ると盛んに宣伝しているが、それは全部でたらめ」と酷評。

代替肉が健康にいいと信じているアメリカ人の割合は2020年の50%から2022年には38%に減少し、今年はさらに減少している、とBeyond Meatの幹部が語っている、とReutersが報じている。

健康にいいかどうかは成分によるだろうから、健康にいい成分のものを作ればいいだけのようにも思えるが、そう簡単な話ではないのかもしれない。

また、代替肉でなくても健康に悪いものは多数あるのだから、代替肉だけが悪者にされているわけでもないだろう。

健康にいいものを求めるという人々の意識が高まっていることの表れ、と前向きに評価したい。