すごいコーヒーがあるものだ


ドクロの袋に入った恐ろしい雰囲気のコーヒー豆。ドクロのデザインはハロウィーンの時期には珍しくない。お菓子など子供向けのものも平気でドクロのデザインをあしらう。子供は怖がって泣いたりしないのか心配になる。

このコーヒーはJust Coffee Coopが焙煎している「Wake the Dead」という銘柄。取り憑かれるほど美味しくて、死者も起きてしまうほどらしい。他にもいろいろな銘柄のものを出している。

ところで、このコーヒーのすごいところは、「透明性」だ。袋の側面に流通経路が表示されている。農家 → 農協 → 輸入協同組合 → 焙煎協同組合 → ストア/カフェ → 消費者という経路だ。Just Coffee Coopは焙煎協同組合に位置する。

通常のコーヒーは、農民 → 農園 → バイヤー → 輸出業者 → 米国ブローカー → 焙煎業者 → 卸業者 → ストア/カフェ → 消費者という流れだ。中間流通業者を大幅にカットしてコスト削減や農民の労働条件向上を図っているようだ。

袋のもう一方の側面には、コストの内訳が出ている。1ポンド(約450g)あたり、$1.91-$3.00が農協への支払い、$0.6-$0.85が輸入に係る諸費用・倉庫・運送料、$0.89が焙煎や袋詰めに係る人件費、$0.45がラベルや袋の費用、$3.03がJust Coffeeの平均オーバーヘッドで、それに小売店のマークアップが30%-40%上乗せされる。

さらにこのコーヒーのすごいところは、袋の底に4桁の番号がついていて、この番号をホームページの所定欄に入力すると誰がいつどういう豆を何度の温度で何分間焙煎したか、さらにその豆はどこの農協からいくらで買っていつ到着したかまで、またものによっては契約書や船荷証券まで見ることができるという徹底した透明さだ。

いろいろな面ですごいコーヒーだ。味の方は普通に美味しかったが、死者を起こせるかどうかは未確認だ。

 

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