スマホの「キルスイッチ」をキャリアが拒否

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スマホの「キルスイッチ」の導入を米キャリアが拒否していると話題になっている。これはキャリアのエゴなのか。

ケータイ強盗を扱ったT-MobileのテレビCMが槍玉に挙ったように、強盗にスマホを盗まれる事件が増加して社会問題になっている。

T-MobileのCMより

CBSニュースによると、2012年には米国で160万件以上のスマホ強盗事件が発生し、ニューヨークではその件数が40%も増えたそうだ。

その防止策として捜査当局などが通信業界に要請しているのが「キルスイッチ」の導入。盗難に遭ったときに、遠隔でスマホを使えなくしてしまうスイッチだ。

同様の有料サービスとしては、たとえばAbsoluteSoftwareが年間30ドルで提供しているLoJackなどがあるが、犯罪防止の観点からは無料で全スマホに標準装備することが有効だ。

Appleは既に「Find My iPhone」アプリで所在地を特定したり遠隔でデータを消去したりできる機能を提供していたが、さらにiOS 7では原所有者の認証情報を入力しないと再使用できないようにする機能も導入したので、やや前進だ。

Googleも同様の機能をAndroidに装備し、所在地の特定や遠隔データ消去ができるが、データを消去した後は新しいスマホとして使えるので犯罪の抑止力としては弱い。捜査当局が望んでいるのは、もっと強力な、スマホを完全に使いものにならなくしてしまう機能。「切る」だけでなく「KILL」ができるスイッチだ。

Samsungは早速これを実現し、今年7月にはGalaxy S4にキルスイッチを導入する予定だった。ところが米キャリアがそれを拒否して、その機能を使えなくしているそうだ。

キャリアの真意は明らかではないが、サンフランシスコのGascon地方検事が推察するところでは、盗難に備えるための保険の販売がキャリアにとっては大きな収入源になっており、それが脅かされるのを嫌っているのだろうとのことだ。

保険の販売だけでなく、盗難に遭ったユーザーは新しいスマホを購入するから、販売件数の増加にも貢献する。つまり、スマホ強盗の増加はキャリアにとっては好都合な結果を生んでいるということになる。

それが真意ではないことを祈る。

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