モバイル決済が普及しない5つの理由

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モバイル決済の利用がなかなか進まない。どうして普及しないのか、普及させるためには何が必要なのかについて、TechCrunchが5つの点を指摘している。

米国のモバイル決済は2016年には対前年比で決済額が3倍に伸びるとの予測があるが、それにもかかわらず、利用の方はそれほど進んでいない。

例えばApple Payが可能なiPhone(iPhone 6以降)保有者のうち、Apple Payを使ったことがあるのは20%にすぎない。

Apple Payのホームページより
Apple Payのホームページより

どうしてモバイル決済がなかなか普及しないのか。TechCrunchは、以下の5つの理由があるとしている。

  • セキュリティが最大の懸念
    米国のインターネット利用者の57%が、モバイル決済を使わない最大の理由はセキュリティが心配だからと答えている。また、米国でモバイル決済を使っていないスマホ保有者の62%が、その理由をセキュリティが心配だからと答えている。
  • グローバルスタンダードがない
    モバイル決済の方式が国によって異なる。万国共通に使えないという状況も、モバイル決済普及の妨げになっている。同じキャリアでも国が違えば使えない。例えばVodafoneのM-Pesaはアフリカでは使えても欧州では使えない。
  • モバイル決済アプリが削除できない
    利用をやめたりサービスが終了したりしたときに、モバイル決済アプリをスマホから削除できないことがある。Softcard(旧Isis)がそのいい例で。サービスは終了したがアプリは削除できない。その不安が利用を思いとどまらせるという面もある。
  • モバイル決済技術が細分化
    これは加盟店にとっての問題。モバイル決済の技術はNFC、バーコード読み取り方式、クラウド方式などがあり、それぞれに長所と短所があり、どれがいいのかは業種や顧客層によっても違うので、現状ではPOSシステムの選択が難しく導入が進みにくい。
  • 古い習慣から抜け出せない
    今まで使っていた支払い方法に満足しており、安心で簡単なのでそれを使い続けるという消費者が相当数いるとの調査結果もある。クレジットカードのポイント制度や特典なども、現状変更の妨げになる。習慣を変えるというのは難しい。

逆に上記の点が改善されれば、モバイル決済が普及する可能性が高くなるとも言える。

さらに改善につながる技術革新の分野として、同記事では、個人間の送金方法、複数のカードを電子的にスマホに格納、ポイントや特典の共通化・一元化、寄付・募金の方法、銀行の窓口に行かなくて済むことなどを指摘している。

また最大のネックであるセキュリティについても、既にHCEなどのセキュリティの高いモバイル決済方式への取り組みや仮想通貨の活用の可能性や生体認証による決済も検討されていることを紹介している。

指紋認証、虹彩認証、心拍認証などでモバイル決済ができるようになれば、スマホも必要なくなるかもしれない。

モバイル決済はセキュリティが心配というが、従来型のクレジットカードや現金も、落としたり盗まれたりする危険性はあるわけだから、従来型の方が安全とは必ずしも言えない。

人間の体そのものがおサイフになれば、少なくとも落とす心配はなくなる。