ChatGPTなどで知られるOpenAIが、ここに来て新聞社や出版社などメディアとの連携を加速している。2024年4〜5月にかけて、同社は英フィナンシャル・タイムズ(日本経済新聞傘下)や米ニューズ・コープ、さらには米アトランティックや米Vox Mediaなど欧米の主要メディアと立て続けに戦略的な提携関係を結んだ。これらの提携で、OpenAIはメディア各社が保有するアーカイブ(記事データ)などのコンテンツを生成AIのトレーニング(機械学習)に利用できるようになる。またChatGPTが各社記事の要約などを作成・表示したりすることも可能になるという。
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第11回 生成AI時代のスタートアップ事情――ビッグテックとの競合から共生へ
米国の生成AIブームに変調の兆しが見られる。シリコンバレーを中心に生成AIの開発を手掛ける「ユニコーン(企業価値が10億ドル以上の未上場企業)」は優に10社以上に上るが、その一部に失速の気配が見られるのだ。
第10回 これからの働き方はダブル・ハイブリッドの時代へ――オフィス+リモート、人間+AI
2020年3月にWHO(世界保健機関)が新型コロナ・ウィルス(Covid-19)のパンデミック(感染爆発)を宣言してから、早くも約4年が経過した。その間に私達の働き方は大きく様変わりし、今も変化の最中にある。国土交通省の調査によれば、リモートワーク(主に在宅勤務)経験者の8割以上がコロナ感染の終息後も(ある程度まで)その継続を望んでいる。
第8回 対話型AIがインターネットやパソコンの基本的UIになる時代が到来
私達が日常生活や仕事などで使う基本的なソフトウエアに生成AIが浸透し始めた。グーグルは今年の9月20日(米国時間、以下同じ)、同社の対話型AI「Bard」の機能を拡張して、GmailやGoogle Docs、YouTubeなど一連の主要サービス(ソフト)と連携して使えるようにすると発表した(Bardのような対話型AIは生成AIの一種)。この拡張機能は当初、英語でのサービスから着手して、その後、日本語をはじめ多言語に対応していく予定という。
第7回 ChatGPTなどの生成AIは子供たちの教育にどう活用されているか?日本や米国の事例を紹介
文部科学省は7月4日、小・中学校や高校における生成AI(ChatGPTやBing Chat、Bardなど)の取り扱いについて暫定的なガイドラインを発表した 。それによれば、生成AIの教育利用の方向性として「生成AIがどのような仕組みで動いているかという理解」や「生成AIを使いこなすための力を意識的に育てていく姿勢」などを打ち出している。
第6回 日本企業のChatGPT利用率は7パーセント、軽率な利用には危険性も
ChatGPTが世界的ブームを巻き起こす中、日本企業の間でも、この画期的ツールを日々の業務に活用して生産性や効率性を上げようとする動きが進んでいる。ただ、日本企業の多くはChatGPTの職場への導入に慎重な姿勢で望んでいるようだ。
第4回 ChatGPTなど生成AIは私達の仕事や雇用をどう変えるか
ChatGPTをはじめ生成AIは私達の仕事を支援してくれる新しい味方となるのか?それとも私達の雇用を奪う敵になるのか。これに関する大学やシンクタンクなどの論文や調査レポートが相次いで出されている。筆者がウェブ上をちょっと漁っただけでも、ここ3、4か月で少なくとも6本は報告されている。
第2回 話題のテキスト生成AI「ChatGPT」の性能評価――確かに回答には誤りが多いが、本来の実力を見極めるには今しばらく時間が必要
生成型AI(人工知能)に関する連載の第2回目となる今回は、最近世間で話題のChatGPTについて見ていこう。 昨年11月末に一般公開されたChatGPT(https://chat.openai.com/chat )は、米OpenAIが開発したテキスト生成ツールだ。いわゆる「チャットボット(お喋りAI)」の一種であり、ユーザーである私達人間とテキスト・ベースの会話、つまりチャットをすることができる。 開発元のOpenAIは、2015年に著名起業家のイーロン・マスク氏やピーター・ティール氏らが総額約10億ドル(当時の為替レートで1000億円以上)を出資して立ち上げた研究機関である。設立当初は非営利団体として、単なる一企業ではなく人類全体に寄与する人工知能の研究開発を目標に掲げていた。
アートとAI(後編)〜AIは脅威にあらず、アーティストがAIを使いこなすようになる
前回のコラムでは、当面はAIがアーティストの脅威にはならないであろうことを、ファクトを基に考えた。一方で、アーティストがコンセプトを作り、それを表現するためにAIを活用するケースが少しずつ出てきている。それらは、AIを使っている点では、前回紹介したMidjourneyの作品と同じだが、提示したいコンセプトのための表現手段としてAIを使っているところが大きく異なる。アートワールドに食い込んでいけるのは、このようなAIの使い方ではないだろうか。今回はこのあたりに着目したい。