4月10日に開催された米上院の公聴会で、Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOが答えに窮する場面があった。
共和党のリンゼー・グラハム上院議員が、「Facebookの最大の競争相手はどこですか」と尋ねたときだ。
「競争相手はたくさんいます」
「一番の強敵はどこですか」
「1社のみ挙げるのは難しいので、集合的なものでもいいですか。分野としては3つあります。第1の分野はITプラットフォームで、Google、Apple、Amazon、Microsoftなどと、さまざまな形で競合しています」
「彼らはあなた方と同じサービスを提供していますか」
「さまざまな形で、さまざまな部分で・・・」
「では言い方を変えましょう。もしFordの車を買って、問題があったので嫌いになったとする。そのときはChevy(GM)を買えばいい。同じようにもしFacebookが嫌いになったときは、何を使えばいいのでしょうか。民間セクターでFacebookと同等のサービスはありますか」
「言おうと思っていた第2の分野は・・・」
「分野の話をしているのではなく、現実にどこと競争しているのかを聞いているのです。自動車会社は厳しい競争に晒されている。もし欠陥車を作り、それを市場に出せば、消費者はそれを買うのをやめ、別の車を買う。Facebookの代わりになるサービスはありますか」
結局、ザッカーバーグCEOの方から代替サービスの名前を挙げることはなく、同議員の方から「Twitterは同じサービスですか」と質問されて、同CEOが「一部競合しています」と返答するにとどまった。
同議員が「独占状態だとは感じていませんか」と尋ねると、同CEOが「そうは思いません」と答えたが、有効な競争が存在しないことを印象付ける結果となった。
Facebookにとって、「一番の競争相手はどこか」という質問に、単純に応えられるようなものではないことはわかっていた。さりとて複雑な答えを聞きたかったわけでもなかった。
要するに「独占状態なので規制が必要ですね」という方向に誘導したかっただけ。そしてその試みはまずまずの成功を収めた。