T-MobileのCEOの「予言」


T-Mobileのジョン・レジャーCEOが、2017年はワイヤレスとケーブルTVで大きな変動があると「予言」している。

ジョン・レジャーCEOは毎年新年にその年の「予言」をしている。2017年の「予言」は以下のようなもの。

  • MV-NO
    2017年はComcastなど大手ケーブルTV事業者がMVNOでワイヤレス市場に参入するが、年末までに完全撤退する。MVNOの最後の2文字は「NO」。大手ケーブルのMVNOは「NO」だと顧客に言われる。なのでT-MobileはケーブルTV事業者からMVNOの話が来ても「NO」と言う。
  • 大物がワイヤレス市場を揺さぶる
    未来はモバイル。眠っているお金が山ほどあればモバイルにつぎ込む。2017年はGoogleがワイヤレスに進出して、市場を大きく揺るがす年になる。
  • TVがモバイルになる
    TVの視聴スタイルが大きく変わる。従来型のTVは衰退しているがTV自体は死滅はしない。OTTなどの視聴スタイルが成長している。25歳以下では50%以上が新たなスタイルでTVを視聴している。この動きはミレニアルが牽引しているが、他の世代もそのうち追いつく。年末までにTV視聴スタイルの大半がモバイルになる。
  • Dishは消滅
    TVは衰退しつつあり、Dishは周波数を保有していることから、Diahはワイヤレス進出を準備しているのだろうと何年も前から噂されていたが、Dishはそのタイミングを逃した。2017年はDish消滅の年。来年の今頃は単独では存在していないだろう。
  • LTEでギガビット速度
    他のキャリアはギガビットを5Gで提供する話をしているが、T-MobileはMIMO、QAM、キャリアアグリゲーションなどの高度のLTE技術を駆使して、実験ベースではほぼギガビットを実現している。T-Mobileの顧客は5Gを待たずにLTEでいち早くギガビットを体験する。
  • 「スロークッカーサンデー」がケーブルの人気チャンネルと対決
    OTT/モバイル向けコンテンツがケーブルTVのゴールデンアワーの人気番組を追い抜く。レジャーCEOが制作しFacebookに投稿しているライブ動画「スロークッカーサンデー」は1週間で50万ビューを超えた。2017年には100万ビューを超える。
Slow Cooker Sunday/Facebookより
Slow Cooker Sunday/Facebookより
  • CEO交代
    Verizon WirelessのMead氏、SprintのHesse氏、AT&TのDe la Vega氏。みんないなくなった。2017年も大手ワイヤレスキャリア4社のうち3社のCEOが代わる。
  • VeriCast
    Verizonの90年代ドットコムの救済は今のところうまくいっていない。ネットワークの優位性もなくなった。Comcastはワイヤレスへの進出が必須。両社の伝統的事業は腐食しつつあり前途多難。追い詰められた両社は合併の話をせざるを得ない。最も嫌われている2社が合併するなんで、考えただけでも消費者は逃げ出してしまう。

以上。2017年中もしくはそれ以降の注目点を挙げた。さらに一点、心強い話として、T-Mobileはこれからもいろいろとかき回し、ルールを書き換え、米国のワイヤレスを良い方向に変えていく。これは「予言」ではなく、嘘偽りのない「約束」だとしている。

今年も激動の年になりそうだ。