AT&Tの第1四半期はまずまずの結果


AT&Tの第1四半期決算は、ポストペイドの無線サービスは別として、まずまずの結果となった。

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AT&Tの2017年第1四半期の売上は393.7億ドルで、アナリスト予想の405.4億ドルには届かなかったものの、1株利益が74セントと、アナリスト予想どおりの結果となったので、市場からは満足だとの声が上がっている。

無線サービスの顧客数も米国全体では208万件の純増と、見栄えは悪くない。ところが、これはコネクテッドデバイス(IoT)の257万件の純増に助けられたもので、ポストペイドに着目すると19.1万件の純減だ。

AT&Tの決算資料を元に作成
AT&Tの決算資料を元に作成

それでもVerizonのポストペイド(30.7万件の純減)よりはましだ。しかもVerizonはプリペイドも1.7万件の純減で、無線サービスの小売トータルは32.4万件の純減だったのに対し、AT&Tのプリペイドは28.2万件の純増で、小売トータルでは9.1万件の純増となった。

ただし、ポストペイドの電話機(スマホとフィーチャーフォンを含む)に着目すると、AT&Tはこのところずっと顧客の純減が続いており、特にこの第1四半期は38.9万件の純減と悪化しており、Verizonより深刻だ。

しかも、Verizonはデータ無制限プランを復活導入してから顧客が戻ってきたと明確に述べているが、AT&Tはどうやら顧客の戻りは鈍いようだ。それなのに、AT&Tはあまり深刻さを感じさせない。

無線サービスはIoTとプリペイドが頑張っているし、Fiberの提供地域も拡張しているし、TVストリーミング市場ではDirecTV Nowがそこそこの活躍をしているし、Time Warnerとの合併もうまく行きそうだなど、今のところまずまずといった感触だ。