ハワイのミサイル誤警報の真相


ハワイで1月13日、「ミサイルが飛んでくる」との誤警報が発令されて住民を恐怖と混乱に陥れたが、これはハワイ緊急事態管理局(HIEMA)の職員が間違えて別のボタンを押したためだと報じられた。

The Vergeによれば、その後の情報で、職員が間違えて別のボタンを押したのではなく、システムの画面から警報の種類を選ぶ際に、別の項目を選んでしまったのが原因で、その項目が非常にわかりにくい表示になっていたことがわかった。

HIEMAが、ミサイル誤警報を発令した際の画面の画像を公開した。

Honolulu Civil Beat via Twitter/The Vergeより

仮訳するとこんな感じだろう。

弾道ミサイル防衛誤警報(訳注:今回追加)
誘拐警報 – カウアイ郡のみ
誘拐警報 – 州全土
1. テストメッセージ
ミサイル警報 – 州のみ
津波警報 – 州のみ
訓練 – ミサイル警報 – 州のみ
地滑り – ハナ道路閉鎖
誘拐警報デモ用テスト
北海岸高波警報

確かに、似たような項目があって紛らわしい。難しい入試問題のようだ。しかも本物とテストの項目が入り乱れて雑然としている。

「1. テストメッセージ」の下に「ミサイル警報 – 州のみ」があるのが紛らわしい。今回は間違えてこれを選んでしまった。これは本物の警報で、テストのときはその2つ下の「訓練 – ミサイル警報 – 州のみ」を選ばないといけなかった。

しかも、これを選んだ後に、「選択した項目の警報を出していいですか」という確認のダイヤログボックスが出るのだが、当の職員は正しい項目を選択したと思い込んでいたので「イエス」をクリックしてしまった。こんなときは、「これはテストでなくて本物の警報ですがいいですか」というような確認メッセージを出すべきだった。

さらに、誤警報を出してしまったことに気づいたが、それを取り消すという項目がなかったので、結局誤報だったとの訂正通知が出るまでに38分もかかってしまった。

この件を受けて、慌てて訂正通知を出す項目を一番上に付け足したとのことだ。

ちょっと間違えたら大変なことになるシステム。こんな重要なシステムの操作画面が、こんなに粗雑で間違えやすいデザインだったとは驚きだ。今回の件は誤操作をした職員も責められるべきだが、こんなシステムをデザインした設計者やそれを承認した管理者も責められるべきだ。

デザインの重要性を改めて思い知らされた。