スーパーボウルのCMにちょっとした異変が起こっている。
NFL(ナショナルフットボールリーグ)の優勝決定戦である「スーパーボウル」は、ゲームのほかにテレビCMも見どころだ。視聴率が高いので、スポンサー各社もCMには特別に力を入れる。
2月4日に開催された第52回スーパーボウルのCMにはちょっとした異変があった。T-Mobileが流したCMが、これまでの同社のCMとは内容や雰囲気がまったく違うものだった。
今回のT-MobileのCM「Little Ones」は、さまざまな人種の赤ちゃんが登場し、「人類みな平等」をメッセージとして伝えるもの。人種差別反対を訴える政治的メッセージに近い。
T-MobileがこんなCMを流すのは珍しい。同社の過去のCMは、自社のサービスや料金プランなどの優位性を畳み掛けるように宣伝するものや他社を攻撃するものがほとんどだった。
異変と言えば、Verizonもそうだった。同社は2011年を最後にしばらくスーパーボウルでのCMがなかったが、今回久しぶりに復活した。
今回のVerizonのCM「Answering the Call」は、やはり自社のサービスを直接宣伝するものではなく、救助・救急活動に感謝を示しながら、救助隊の通信手段を支えている自社の信頼性あるネットワークやサービスを間接的に宣伝するもの。
Sprintはと言えば、あまり異変はなく、相変わらず他社を攻撃するCMだった。今回のSprintのCM「Evelyn」はVerizonがターゲット。
ロボットの「Evelyn」の製作者はVerizonの顧客だった。Evelynは日々学習し全データを分析して、VerizonからSprintに乗り換えるのが最善と判断。他のロボットたちも賛同して、製作者の愚かな選択をからかい、製作者を乗り換えへと追い込む。
どのCMも面白みに欠けるという点では、あまり異変はない。