スーパーボウルでT-MobileとVerizonが感謝


スーパーボウルでT-MobileとVerizonが感謝の意を示した。

Verizonがスーパーボウル向けに制作したCMの中に、「Verizonの4GはT-Mobileの5Gより速い」としてニューヨーク市の街頭でテストして実証したCMがあった。

女優のジェニー・スレイトが街ゆく人に「Verizonの4GとT-Mobileの5Gはどっちが速いと思う?」と聞いて、「そりゃあ5Gの方が速いでしょ」と言う人たちの目の前でテストして、Verizonの4Gの方が速いことを証明して驚かせるというもの。

このCMは結局、スーパーボウルの放映中にテレビでは流されなかったが、VerizonのwebサイトやYouTubeで公開された。

これに対抗して、T-Mobileは「ママが5Gをテストする」と題するCMを制作してスーパーボウルの放映中に流した。

俳優のアンソニー・アンダーソンが母親のスマホをVerizonからT-Mobileに変更してしまう。

勝手にキャリアを変えられて不満気な母親に対して、アンソニーが「T-Mobileだけが全国5Gを提供しているんだ」と説明する。

母親が「本当かどうか試してみるわ」と、外に出ていろいろなところで試し、その都度アンソニーにビデオ通話で報告してくる。

パイのお店でも、公園でも、水族館でも、駐車場でも、海岸でも、エレベータの中でも、映画館の中でも、「つながったわ」と喜びの声を伝えてくる。

映画館の中では、 「静かにっ」と注意されて、母親が「あんたこそ静かにしなさいよ。こっちはベイビーと話してるんだから」と答えて、豪傑ぶりを発揮する。

最後は、母親がアンソニーに「ありがとう、ベイビー」と伝えて、T-Mobileに変えてくれたことに感謝するというもの。

さらにスーパーボウルが開催された2月2日、T-Mobileのジョン・レジャーCEOが「拝啓、Verizon、ありがとう」とするブログを発表し、Verizonに感謝の意を示した。

Verizonが初めてT-Mobileを競争相手として認めてくれたことに対する感謝だ。もちろん「感謝」という名目の裏で火花がバチバチと散っている。

ところで、Verizonがスーパーボウルの放映中にテレビで流したCMは、消防、警察などの緊急対応機関向けに5Gが重要な役割を果たすことを伝えるとともに、5Gにもできないことがあるとして、緊急時の救助活動などに携わる人々の努力や勇気に対して敬意と感謝を示すもの。

T-MobileとVerizonがCMで真っ向から激突、ということにはならなかった。