DishがBoostを取得する話はどうなった


Dish NetworkがBoost Mobileを取得する話は進んでいるのか、いないのか。

T-MobileとSprintの合併条件の1つとして、Sprintのプリペイド子会社だったBoost MobileをDish Networkが取得することになっている。

もし7月1日までに両社がBoostの売却・取得で最終合意に至らなければ、司法省が条件を決めて強制的に解決できることとなっている。

合併が承認された時点で、DishはBoostを14億ドルで取得することで大筋合意されているので、最終合意に至るのはそれほど困難ではないと見られ、6月1日には完了する見込みだった。

ところが6月1日を過ぎても何も起こらない。「何があったのか」と専門家は首を傾げている、とFierceWirelessが伝えている。

既に大筋合意されたとはいえ、Boostの事業が大幅に悪化するような重大な悪影響が生じた場合には、条件を見直すことができることになっている。

新型コロナが重大な悪影響に該当するかどうかはわからないが、何らかの理由で見直すことになり、再交渉している可能性がある。

もう1つの合併条件として、Dishが保有している600MHz帯周波数をT-Mobileに3年間貸し出す話があるが、これも合意に至っていない。この条件が合意できていないので、Boostの取得も進んでいないのではないかとの見方もある。

600MHz帯周波数については、T-Mobileは年間3億5,000万ドル以下で借りることを要求しているが、Dishは7億ドル以上で貸し、かつ18か月以内に返却を要求することができるという条件も付け、さらに一定の都市の周波数は保持することも要求していると見られる。

Dishも独自に5Gネットワークを構築する予定なので、600MHz帯の周波数はDishにとっても大事だ。これが3年間使用できないとなると支障をきたす恐れがある。

合併条件では最終合意に向けて両社とも誠実に交渉することとされているが、うまく進んでいない可能性がある。