ウイスキーの明確な間違い


スーパーで売られているウイスキーに明確な間違いがあるのが気になっている。

アメリカで割と人気の高いスーパー「Trader Joe’s」で売られている日本製ウイスキーに「明確な」というものがある。750mlで29.99ドル。これが名前に似合わず、明確でないという問題がある。

「100%日本製のブレンドウイスキー」と謳っているが、製造会社や蒸留所の名前は明記されていない。そもそも日本では見たことも聞いたこともない。おそらく日本では売られていない。日本の会社が海外向けのみに製造しているかもしれないので、「100%日本製」が嘘だとは言い切れないが、真偽の程は明確でない。

ウイスキーの名前に「明確な」という形容動詞を使うのもどうかという気がする。昔からモノの名前には名詞を使うことになっている。

もっとも最近は「渋い」という形容詞を使っているウイスキーもあるようなので、形容動詞を使うのが一概に間違いとか不自然とか言い切れるものではないが、何となく落ち着きが良くない。

命名者がモノの名前には名詞を使うものだというルールを知らなかったのかどうかは明確ではない。

ところで、このラベルの「明確」という漢字には問題がある。「明」の「へん」は「日」なので、左の縦棒は右の縦棒とほぼ同じ長さにすべきであり、しかも一番下の横棒の位置よりも大きく下に伸ばすべきではない。

書体にもよるが厳密には両方の縦棒は一番下の横棒より僅かに下に伸びることが多く、かつ左の縦棒は右の縦棒よりも若干長く下に伸びることが多いが、このラベルの表記では右の縦棒は全然下に伸びていないのに対し、左の縦棒だけがとても長く伸びている。こんな字は日本語では見たことがない。

左の縦棒だけこんなに伸ばしてしまうと、「門構え」の左側に近くなってしまい、もはや別の漢字と言ってもいいくらいだ。これが「100%日本製」に疑いを生じさせる一因にもなっている。

これはこのウイスキーのブランディングにおける明確な間違いだと思われるが、誰も指摘する人がいないのか、敢えてそうしているのか、いずれにしても明確ではない。