アリゾナでスマホを買い替える(その2)


5年ほど前に購入したスマホがそろそろ買い替えどきになったので、新しいスマホに買い替えることにした。

まずは買い替える前の状況であるが、我が家では家族の分も含め、T-Mobileを3回線とDish WirelessのポストペイドブランドであるBoost Infinite(以下「Boost」)を1回線、計4回線をスマホ4台で利用している。住んでいるのはアリゾナ州フェニックス近郊のチャンドラー市。

チャンドラーのダウンタウン

T-Mobileは3回線とも「Magenta 55+」というプランを利用中。これは最新の「Go5G 55」と内容的にはほぼ同等のプラン。「55」というのは家族の中に1人でも55歳以上の人がいれば利用できる、いわゆる「シニア割」。1アカウントに4回線まで含められる。

「Magenta 55+」と上位プラン「Magenta MAX 55+」の概要(T-Mobileのプレスリリースより)

音声、データ(高速データは100GBまで)、テキストが無制限で、月額料金は回線数によって異なり、3回線の場合は1回線あたり40ドル。料金を自動払いにすることで1回線あたり月々5ドル割引されて、3回線で月々105ドルの支払いとなっている。

もし「シニア割」が利用できなかったとしたら、「Magenta」なら3回線で月額140ドル、最新の「Go5G」なら月額170ドル(今なら3回線目無料のプロモーションがあるので月額130ドル)になっていたところだから、「シニア割」の恩恵は大きい。

「Go5G」、「Magenta MAX」、「Magenta」の概要(T-Mobileのホームページより)

「Magenta 55+」にはひと月あたり5GBまでの高速モバイルホットスポットデータが含まれ、Netflixのベーシックプランが無料、AAA(米自動車協会、日本のJAFに相当)の会費が1年間無料、Apple TV+が6か月間無料といった特典も付いている。

毎週火曜日には「T-Mobile Tuesdays」と称してさまざまなグッズや飲食物やサービスなどが無料・割引提供されるのも楽しみの1つ。そのお陰でMLB(プロ野球)やMLS(プロサッカー)のほぼ全試合がオンラインで無料視聴できるのもありがたい。

海外でも日本を含む215の国・地域でテキストとデータ(256kbps)が無制限に使える、「Wi-Fiコーリング」が使える(海外でもWi-Fi利用中は米国内にいるのと同様に米国宛の通話が無料になる)、機内Wi-Fiが無料で使えるなどのメリットもある。

日本に行ったときにはローミングをオンにすると追加料金なしである程度使えるが、データ速度はあまり速くないため、webサイトがなかなか開かないといったことが頻発する。やはり日本に行ったときは日本のSIMに差し替えて使った方が快適だ。

T-Mobileの回線品質は良いとは言えない。自宅ではスマホの画面には一応「LTE」と表示されるものの、下りが2Mbps、上りは700kbps程度。とても満足できるレベルではないが、普段はWi-Fi経由で固定インターネットを使うのでそれほど不便はない。

外出先では場所により驚くほど速かったり、とても使える状態ではなかったりと格差が大きいが、概してAT&TやVerizonより低速のことが多い。これも最近は外出することも少なくなってきたので大きく不便を感じることは少なくなってきている。

10年前にサンフランシスコでスマホを買い替えたときには、キャリアをSprintからVerizonに変更した。その理由はサンフランシスコ周辺の町に引っ越してSprintのカバレッジが極端に悪くなり、4Gがほとんど使えなくなってしまったからだ。

引っ越した先は陸の孤島と言っても過言ではない地域で、どのキャリアも電波が弱かったが、かろうじてVerizonだけが何とか使える程度のサービスを提供していた。料金は4GBをシェアして3回線で月額190ドル。これでも他社より安めだった。

ところがその1年後、T-Mobileのカバレッジが改善していることがわかった。同社が「テストドライブ」というサービスを始めたお陰だ。これは当時最新のiPhone 5sを7日間無料で貸し出し、その後無傷で返却すると費用は一切かからないというもの。

これを利用して自宅や周辺で使ってみたら、カバレッジは良好で速度はVerizonよりも3倍位速くて驚いた。折を見てT-Mobileに乗り換えようと目を付けていたところ、4回線で月額100ドルというプロモーションを目にしたのですぐに飛びついた。

当時は2年契約が主流だったが、キャリア間の乗り換えプロモーションが活発で、早期解約料や端末残債を乗り換え先のキャリアが負担してくれたので、キャリア間の移動は比較的容易で、1年ごとに変更することも難しくなかった。

T-Mobileに乗り換えた後も、さらに他社に乗り換えてみたこともあったが、回線品質に大きな問題がなく、無料の海外ローミングなどの特典も捨て難く、さらに料金が一番安いというのが決め手となり、結局T-Mobileに落ち着くようになった。

フェニックスのDesert Botanical Garden(砂漠植物園)にて

アリゾナでスマホを買い替える(その3)に続く

アリゾナでスマホを買い替える(その1)