ドミノピザがすごい配達車を導入する


ドミノピザが配達専用の車両を導入する。美味しいピザの配達のためにとことんこだわった仕様だ。

Domino's DXPのホームページより
Domino’s DXPのホームページより

この車両は「DXP(Delivery ExPert)」と呼ばれるだけあって、ピザの配達専用に作られたものだ。GMのシボレー・スパークという小型のバンをベースにして改造したもの。

Detroit Free Pressによれば、これを開発したのはデトロイト郊外のRoush Enterpriseという技術開発会社。ちなみにこの会社はGoogleの自動運転車も手がけている。

シートはドライバー用の1席しかなく、他のスペースはピザ保温用のオーブン、飲み物、ソース、ナプキンなどの収納に充てられている。ピザは80枚も保温された状態で運ぶことができる。

オーブンの扉は外から開閉できる。さながら小型のフードトラックのようだ。ドミノピザはこの車両をこれから3か月かけて25都市に100台導入する。

当初は電気自動車にしようとも考えたが、台数が少ない段階で充電に時間が取られるのは厳しいということで、結局ガソリン車にした。将来的には電気自動車にする可能性も捨ててはいない。

とにかくピザを美味しく配達するためにとことんこだわった仕様だ。これで配達中にピザが冷めてしまう心配がなくなる。

そう言えば、「冷めたピザ」という言葉がある。冷めたピザは美味しくないということもあるが、誰も手をつけなかったために冷めてしまったということで、魅力のない人のことを言うときに引き合いに出される。

小渕元首相が首相に就任した時にニューヨークタイムズなどに「冷めたピザ」と評された。けっして褒め言葉ではないのだが、当の小渕元首相は「冷めたピザでも食べてみればなかなか味わいがあるんだよ」と言って、これを逆手にとってトレードマークにしてしまった人柄が偲ばれる。

冷めたピザも確かに味わいがあり、温め直せばけっこう美味しくはなるが、やはり出来立てのピザには敵わない。

ピザ業界も競争が激しい。ピザを出来立ての状態で配達できれば、競合他社に一歩差をつけることができる。