昔から変わり映えのしなかった松葉杖が今、進化してスマートになりつつある。
「松葉杖の歴史」によると、松葉杖は古代エジプトからあり(大昔にも足を怪我する人はいたことだろう)、その基本的なデザインは現在とほとんど変わっていないそうだ。
構造が単純で用途が決まっているので、それほど改善の余地はないようにも思えるが、そんな認識を覆す製品が出てきた。
The Vergeが紹介している「M+D Crutch」という製品は、従来の松葉杖をいろいろな面で改善している。
- 肘で体重を受け止めるので、手や手首や脇が痛くならない。
- ハンドルが下向きになり、手が自由に使える状態で歩くことができる。
- 腕を固定しやすく外しやすいバンド。
- ボタンひとつで本体を腕の動きに連動させたり連動を解除したりできる構造。
- 長さを138cmから200cmまで調節できる。重さは136kgまで耐えられる。
- 衝撃を吸収する接地部。
- 交換可能な接地部。
かなり使いやすくなっているようだ。特に肘で体を支えることができるのは助かる。健常者でも使いたくなるかもしれない。
ただスマートさという面では少し物足りない。最新のIT技術をもってすればもっと改善できるのではないだろうか。
例えばこんな松葉杖はどうか。
- GPSを搭載し、スマホで居場所がわかる。盗まれても追跡できる。
- ライトで足元や目の前を照らせる。
- 非常時などの際にアラームが鳴らせる。
- 傘が出てくる。雨が降っても大丈夫。
- 転んだときにはエアバッグが出てくる。
- 先端にスマホを付ければ自撮り棒になる。
- 先端に義手を付ければマジックハンドになる。
- 普段は短くて袖の中に収納されていて、必要な時に「シャキーン」と伸びて出てくる。
他にも改善点はいろいろありそうだが、何よりもニーズが大事だ。こういうものは実際に使ってみないとわからない。チャンスがあれば使ってみることとしたい。
これも「モビリティ」分野の技術開発だ。