UberがAI企業への変身を図る


UberがAI(人工知能)企業への変身を図っている。

ubai01

Uberは12月5日、AIに関連する二つのニュースを発表した。AI研究所「Uber AI Labs」の設立と、Geometric Intelligence(GI)の買収だ。

Wiredが「ミステリアスな会社」と伝えるGI社は、ニューヨーク大学の心理学者のGary Marcus教授がケンブリッジ大学の情報工学のZoubin Ghahramani教授とともに2年前に設立したスタートアップ。

他に13人のAI関連の研究者を抱えるが、具体的にどのような技術を研究しているのかがはっきりとわかっていないところが「ミステリアス」なところだ。

GI社の総勢15名のメンバーのうち、Ghahramani教授以外の14名がサンフランシスコに飛び、UberのAI研究所の発足メンバーとなる。

Uberは既にピッツバーグに自動運転車の研究組織を持っており、カーネギーメロン大学から40名の研究者や科学者を引き抜いて研究を行なっているし、8月には長距離トラックを自動運転化したサンフランシスコのOttoを買収している。

GIは既存の自動運転車に関する研究を超える技術を研究するらしい。この研究所はGoogleにとっての「Google Brain」、Facebookにとっての「FAIR」と同様のAI研究組織となる。

これはUberがAI企業への変身を図るべく「Amazon大作戦」を決行しているものに他ならないと、上記のWiredが指摘している。

Amazonがオンライン書籍販売事業の会社からクラウドコンピューティングを支配する会社へと変身を図ったのと同様に、Uberはライドシェアリングの会社から自動運転車、自動運転トラック、ハードコアな機械学習、空飛ぶ自動車まで扱う会社に変身しようとしている。

Uberはこれにより、ビッグフォー(Google、Amazon、Facebook、Apple)の仲間入りを果たしたいということのようだ。

実際、ビッグフォーを始め、主要なIT企業はそれぞれAI関連の研究組織を持っているが、機械学習に関する研究者を多く抱えるスタートアップを買収した形が多い。GIもこの流れに乗ってUberに収まったものだ。

Uberが発表文書で述べているように、同社のビジネスは現実世界で人やモノを運ぶ技術を使用する。複雑性と不確実性に満ち溢れた現実世界を扱うには、高度なAI技術が必要とされている。