ベイエリアからの脱出希望者が増加


ベイエリアからの集団脱出(Exodus)の傾向が強まっている。

サンフランシスコとその周辺を含むベイエリアは住宅難、交通難などで、とても住みにくくなっている。だいぶ前からその傾向は出ていたが、近年ますます悪化している。

ベイエリアの経済団体「Bay Area Council」が実施した2018年のアンケート調査によると、ベイエリアから脱出しようと考えている人の割合が過去最大となった。

Bay Area Councilの調査レポートより(以下同じ)

「数年以内にベイエリアを脱出すると思うか」という問いに対し、「強く思う」と「どちらかというと思う」を合わせた割合が46%。ちなみに2017年は40%、2016年は34%だった。

これと反比例するかのように、「まったく思わない」と「どちらかというと思わない」を合わせた割合は2016年が54%、2017年が46%、2018年は42%と、如実に減少している。

脱出先としては、「カリフォルニア州外」が61%、「カリフォルニア州内」が24%。州外ではテキサス州が10%で一番人気。他にオレゴン州、ネバダ州、アリゾナ州も人気があった。「物価と税金が安ければどこでもいい」という回答も6%あった。

ベイエリアの経済に対する見通しも明るくない。

「ベイエリアの経済は半年後にどうなっているか」との問いに対し、2014年には「良くなっている」が51%、「変わらない」が35%、「悪くなっている」が9%だったのに対し、2018年は「良くなっている」が25%、「変わらない」が44%、「悪くなっている」が23%と、悲観的な見方が増えている。

このような調査結果が出ているのだから、アパートの家賃などはそろそろ下がってもよさそうなものだが、まったくその気配がないのも異常な事態だ。