T-Mobile/Sprintの合併に安全保障上の懸念


T-MobileとSprintの合併について、米議会で安全保障上の懸念が問題視されている。

Sprintの親会社のソフトバンクが中国のHuawei Technologies Co.と長年の取引関係にあることが問題になっている。

米政府は安全保障上の懸念がある企業からの通信機器調達を禁じており、中国政府の影響下にあるとされるHuaweiもそのような懸念のある企業に指定されている。

Bloombergによれば、この問題を指摘した書簡のドラフトが現在下院で回付されており、関係議員が署名した後、ムニューチン財務長官宛てに送付される予定。財務長官がこの合併を安全保障上の観点から審査することとなる。

書簡のドラフトでは、本合併の当事者が外国会社の子会社であり、その1社が中国政府の影響下にある企業と長年の密接な取引関係にあることから、国家安全保障上の詳細・徹底的な調査が必要である、とされている。

とりわけ、2017年9月にソフトバンクとHuaweiが5Gに関するデモンストレーションを実施したことや、同11月にソフトバンクがHuaweiと5G活用に向けた実証実験に関する契約を結んだことが引用されている。

この合併には対米外国投資委員会(CFIUS)の承認が必要で、同委員会の勧告に基づいてトランプ大統領が合併を阻止することもありうる。

書簡のドラフトはまた、2013年にソフトバンクがSprintを買収した際に、米政府との間で交わした安全保障上の合意にも違反していると指摘している。合意ではSprintのネットワークからHuawei社製機器を撤去することが義務付けられていた。

ところがSprintは、合意から3年経った時点で、それに違反して自社のネットワークにおいてHuawei社製機器を使い続けていることを認めている。

合併以前の問題として、Sprint自身の安全保障上の懸念が問題になる可能性も出てきた。