iPhone 12の売れ行きは


iPhone 12の売れ行きは、予約初日の状況を見る限り好調のようだ。

iPhone 12(Appleのホームページより)

iPhone 12と12 Proの予約受付が10月16日に開始された。予約の受付開始から24時間の販売台数は全世界で200万台とするミンチー・クオ氏の予想をCNBCが紹介している。

「予想」というのは、Appleは2年前からiPhoneの販売台数を公表していないからだ。正確な数字がわからない今、Apple製品の分析で定評のある天風国際証券のアナリストである同氏の予想が最も信頼できる数字になっている。

同氏によれば、1年前のiPhone 11の時は予約開始から24時間で80万台の販売だったので、予約初日の販売数としては劇的なアップとなった。ただし、予約開始からの週末3日間の販売数となると、iPhone 11の1,200万台に対し、iPhone 12は900万台と、逆に控え目なものになった。

いずれにしてもiPhone 12の需要は予想以上に大きく、それには中国の旺盛な需要が寄与していると同氏は述べている。

同氏の予想のハイライトは以下のとおり。

  • iPhone 12の発表と同時にiPhone 11の価格が699ドルから599ドルに値下げされたので、iPhone 12の販売台数が抑えられた。
  • iPhone 12 Proが予想以上の需要を示した。とりわけ5Gの展開が進んでいる中国では需要が大きい。12 Proの需要の35-45%は中国だ。
  • 来月販売開始されるiPhone 12 miniと12 Pro Maxの需要は12と12 Proの需要よりは小さいだろう。
  • iPhone 12 miniは中国でもあまり売れ行きは良くないだろう。画面が小さいのと、デュアルSIMに対応していないのが難点。デュアルSIMはアジアではよく使われている機能だ。
  • 出荷のタイミングはほとんどのモデルで5-10日延びている。需要がAppleの供給能力を上回っていることを示している。

概して2021年はiPhoneの販売が飛躍的に伸びる「スーパーサイクル」だと多くのアナリストが予想している。買い換え時を迎えているユーザが増えていることや5G対応などが追い風になっていると見られる。

買い換え時を迎えているユーザに関しては、iPhoneが5G対応になるのを待っていたユーザも相当数いることだろう。

やっと5G対応のiPhoneが出たことで、iPhoneとともに5G市場の盛り上がりも期待できる。

ハイバンド5Gのカバレッジが心配の種だ。