Twitterが「バードウォッチ」という新たな検閲手段を試行導入すると発表した。
Twitterは1月25日、誤情報・偽情報の対策として、「バードウォッチ」というコミュニティベースのアプローチを試行的に導入すると発表した。
「野鳥観察」なら長閑で平和的だが「バードウォッチ」は利用者も検閲に参加しようというものなので、メリットもあるが危険性もある。
Twitterが言うには、人々は情報を求めてTwitterに来ている。しかも信頼性のある情報を求めている。そのためにTwitterとしてはこれまで問題のツイートには警告をしたり補足説明を加えたりしてきた。
しかしそれだけでは不十分だ。第一、目が届かないし、届いた頃には多くの人の目に触れてしまっている。もっと検閲をする人の裾野を広げる必要がある。
それにはコミュニティベースのアプローチが有効だ。すなわち、多くのユーザが検閲に参加できるようにするということだ。
誤解を与える恐れのあるツイートを見つけたユーザは、それに注意書きをして補足説明を加えることができる。その注意書きや補足説明に対して、他のユーザが更新・補足をしたり、評価をしたりできるようにすることで信頼性が高められる。
これにより有害な情報の早期発見・早期対処が可能になる、というものだ。段階的に導入するらしいが、どうも不安だ。
Twitterが恣意的に検閲するよりは少しはマシかもしれないが、多くのユーザが参加できるから中立・公正に検閲ができるかというと、そんな保証はない。
ますます多くの人によって検閲が広く深く行われるようになるのではないかという危惧もある。「密告」や「告げ口」が当たり前の監視社会になりそうで怖い気もする。
さらに、Twitterの手を煩わすことなく、かつTwitterに責任がかかってこないようにしながら、検閲を強化する狙いがあるのではないかとの疑いも拭えない。
やはり「バードウォッチ」は「野鳥観察」にとどめておいた方がいいのではないか。もしくは、Twitter自身を監視する第三者の「バードウォッチャー」を充実させた方がいいのではないか。