日本への渡航が厳格化(その1)


日本への渡航が一段と厳格化されているが、多少の違和感もある。

米国から日本に渡航する手続きは、これまでもけっこう厳しかったが、最近さらに厳格化された感がある。

米政府は5月24日、米国から日本への渡航制限を「レベル3」から「レベル4」に引き上げた。「渡航中止勧告」という一番厳しい措置がとられることとなった。

なお、このときは日本だけでなく、150の国・地域に対して同様の措置がとられていたが、オリンピック開催を控えているためか、日本だけが対象になったかのような印象を与える報道や情報が目立った。

とにかくこれにより日本への渡航は中止するよう勧告されるに至ったが、「禁止」ではないので渡航できないわけではなく、渡航する場合はできるだけワクチンを打つ、マスクをする、人混みを避ける、手をよく洗うなどの注意書きも明記された。つまり実質上は今までと何も変わらない。

米国から日本への渡航に関しては、日本側が入国を認めるかどうかの方が重要だ。日本政府は英国株の感染拡大が認められた昨年12月から水際対策を一層強化する措置をとっている。

カリフォルニア州に滞在していた人については、今年1月から72時間以内の陰性証明書の提示が求められ、提示できなければ検疫所が確保する宿泊施設で14日間の待機が命ぜられた。3月からは陰性証明書が提示できなければ入国拒否となり、4月からはすべての外国人が原則として入国拒否となった。

日本人は入国拒否の対象にはならないが、それでもできるだけ渡航を控えるよう促され、どうしても帰国するという者に対しては72時間以内の陰性証明書、降機後の検査、帰国から14日間の自主隔離などが求められた。

日本はさらに6月4日から米国からの帰国者に対する水際対策の強化を実施。過去14日以内にカリフォルニアなどいくつかの州に滞在したことのある人は、陰性証明書を持っていても、また降機後の検査で陰性であっても、3日間は検疫所が確保する宿泊施設での待機が命ぜられることとなった。

そうこうするうちに米政府は6月7日に120の国・地域への渡航制限を見直し、多くの国への渡航制限を緩和した。日本への渡航も「レベル4」から「レベル3」に緩和した。つまり5月24日以前の状態に戻ったわけだ。ただし、日本側はまだ水際対策措置を緩和していないので、実質的には厳しい状態のまま変わらない。

すなわち、ここ数日間、何があったのかわからないが日米で渡航制限がコロコロ変わり、概ね厳格化している印象もあるが、実質上も名目上も変わっていない部分もあるという状況。いずれにしても米国から日本への渡航は厳しいことに変わりはない。

この厳しい時期に所用で一時帰国しなければならなくなった。その顛末は別の機会に。