発電ができるローイングマシンの新機種が発表された。
フィットネスマシンメーカーのSportsArtがCES 2022で発表した新型のローイングマシン「G260 ECO-POWR」は、ボートを漕ぐエクササイズをしながら発電ができるというもの。
TechCrunchによれば、電気自動車を充電するほどの力はないが、スマホなら十分に可能で、2時間漕げば完全にバッテリーの切れたiPhoneをフル充電できるそうだ。
1時間漕ぐことで約220ワットが発電できるという。これは冷蔵庫が1時間に消費する電力と同程度。
フィットネスマシンはもっと多くの電力を消費する(たとえば通常のランニングマシンは1時間に1キロワットを消費)ので、フィットネスマシンの使用する電力をすべて賄えるわけではないが、多少なりとも省エネになる。
しかも、エクササイズをしながら省エネに貢献できるというところがいいところだ。
とはいえ、このご時世、とりわけ新型コロナの影響で、フィットネスクラブは閉鎖したり利用者が減ったりと、大変厳しい状況であることが想定される。こんなときに新機種を出しても売れるのか。
同社もそれは重々承知しているはず。同社が狙っているのは住宅向けだ。新型コロナの影響で逆に住宅向けの需要は増えている。住宅と言っても、一般家庭では需要が限られる。同社が狙うのはアパートやマンションなどの集合住宅。
近頃の集合住宅はフィットネス設備が整っているところが珍しくない。そういうところに売り込む際に、省エネが1つの差別化要素になるというわけだ。
さらに品質でも差別化を図る。長く使えるいいものを作る。手厚い保証も付ける。
安かろう、悪かろうの市場には参戦しない方針だ。